韓国で人工知能(AI)技術を用いたディープフェイク犯罪が相次いでおり、従来の性犯罪と比べて処罰が軽すぎるとの指摘が出ている。特に青少年や大学生による犯罪が増加している。
だが、現行法ではディープフェイクを使用したわいせつ物の作成や配布に対して最大で懲役5年、罰金5000万ウォン(約550万円)の刑が規定されているだけで、これらをダウンロードしたり視聴したりする行為は処罰の対象になっていない。
警察が発表した資料によれば、今年1~7月にソウル市内でディープフェイク合成物を作成した青少年10人が逮捕された。また、警察庁の資料では、虚偽映像物性犯罪の加害者120人のうち75.8%にあたる91人が10代だった。法的な規制が不十分なため加害者が処罰を免れるケースも多発している。
これを受けて専門家からは「ディープフェイク技術が進化する中で、法律も進化しなければならない」との声が上がっている。
女性家族省はディープフェイクに関する法整備を進めており、科学技術情報通信省と協力して被害の防止に努めている。
また、ディープフェイクや違法撮影物の削除を支援する韓国女性人権振興院デジタル性犯罪センターの役割強化も求められている。同センターは昨年24万件の違法映像物を削除したが、法的根拠が不十分なため、一部のサイトでは削除要請が無視されている現状がある。
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