
韓国で「ドバイもちもちクッキー(ドゥチョンク)」と呼ばれる高級系スイーツが、8000ウォン〜1万ウォン(約900〜1200円)と高価であるにもかかわらず、大きな人気を集めている。背景には、不況の中で若者たちが求める「自分への小さな贅沢(スモール・ラグジュアリー)」という消費トレンドがあると専門家は分析している。
ドゥチョンクは、中東風の麺「カダイフ」とピスタチオスプレッドを混ぜ、マシュマロ生地で包んだ韓国オリジナルのデザート。実際にドバイで販売されているわけではないが、「ドバイチョコレート」を韓国流に再解釈したものだ。
人気のきっかけは、K-POPアイドルのIVEのチャン・ウォニョン、IZ*ONE出身のパン・ジミンらがSNSで紹介したことだった。以後、販売店舗の地図やレビュー、自作レシピなどがSNSで拡散し、若者層を中心に「オープンラン(開店待ち)」や早期完売が相次いでいる。
材料費の高騰により価格は上がっているが、むしろ「希少価値」への欲求が高まり、キャンペーンに参加してでも手に入れようとする動きも出ている。大韓赤十字社は献血者にドゥチョンクを提供するイベントを実施し、一部の店舗では他のメニューとセットでないと購入できない「抱き合わせ販売」も見られた。
このようなスイーツが突発的に流行するのは韓国では珍しいことではない。過去にも「ハニーバターチップ」や「台湾カステラ」「マカロン」「タンフル(飴がけ果物)」などが“スイーツパニック”を起こしたが、いずれもブームは長続きしなかった。
それでも、ドゥチョンクが注目されるのは、単なる“おいしさ”だけではなく、若者たちが「今すぐ得られる喜び」を求めている点にあると、専門家は指摘する。家や車といった遠い目標よりも、比較的少額で心理的満足を得られる消費への傾向が強まっているという。
さらに、ドバイという地名から想起される「中東の富豪」的な高級イメージや、海外産の食材を使用している点も、「多少高くても買ってみたい」と思わせる要素となっている。
仁荷大学消費者学科のファン・ジンジュ(黄珍珠)兼任教授は「2008年以降の低成長と景気悪化で、高額商品には手が出せないが、流行に参加しつつ希少価値のある商品には支出をいとわない傾向がある。ドゥチョンクは、ドバイというラグジュアリーなイメージが消費心理に合致した」と語る。
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