2025 年 6月 13日 (金)
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韓国が「超高齢社会」突入…2045年には世界一に「人生120年時代」?

2025年5月27日、ソウル市鍾路区のタプコル公園で杖を突いて歩く高齢者(c)news1

韓国は2024年末に65歳以上の高齢者が人口の20%を超え、国連の定義による「超高齢社会」に突入した。20年後の2045年にはその割合が37%を超え、日本を抜いて「世界で最も高齢化が進んだ国」になる見通しだ。韓国人の平均寿命は2025年の84.5歳から2045年には87.9歳に達する見込みで「120歳時代」突入の可能性も指摘されている。

老化と老年医学を研究する専門家たちは「健康寿命の延伸が重要だ」と口をそろえる。ソウル峨山(アサン)病院老年内科のチョン・ヒウォン教授は「老化は自然な生物学的プロセス。重要なのは老化の進行を遅らせ、健康で尊厳ある高齢期を実現することだ」と話す。

また、慶熙(キョンヒ)大学病院家庭医学科のウォン・ジャンウォン教授も「老化研究の目標は寿命を延ばすことではなく、元気に生きる期間を延ばすことにある」と述べている。

政府の「少子高齢社会委員会」によると、韓国では今後20年間、毎年1ポイントずつ高齢人口比率が増加し、2045年には37.3%に達する見込み。10人に4人が65歳以上、さらにその半数以上が75歳以上になるとされる。生産年齢人口は現在の半分以下に減少。生産性が鈍化し、消費縮小・投資減退などにより低成長時代に突入するリスクが高まっている。

専門家らはこうした社会課題に対応するため、包括的な政策の再設計と柔軟な制度運営が不可欠だと訴えている。チョン教授は「既に多くの高齢者が生計難に直面しており、家計も国家財政も圧迫される」と強調した。

一方で、高齢化を「新たな機会」と捉えるべきだという意見もある。60~75歳の高齢者は以前より健康で労働能力も高く、社会参加が可能だ。ウォン教授は「高齢者にとって重要なのは長生きそのものではなく、自らやりたいことを幸せにできるかどうかだ」と語り、社会的支援や高齢者への認識改善が必要であるとした。

今後は単なる寿命ではなく「健康寿命」をいかに伸ばすかが、社会の最重要課題となる。

(c)news1

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