2025 年 10月 25日 (土)
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韓国「MZ世代」暴力団、取り締まり逃れてカンボジアへ…入れ墨・指切断も「組織的犯罪の海外移転」懸念

ソウル地方警察庁広域捜査隊が7月に摘発した暴力組織「真成派(チンソンパ)」の構成員=警察提供(c)news1

カンボジア当局の摘発で10月18日に韓国へ強制送還された20~30代の韓国人男性たちの中に、両腕に入れ墨のある者が多く見られた。彼らはロマンス詐欺や投資情報詐欺(リーディングルーム詐欺)に関与した疑いが持たれており、「韓国のMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)ヤクザが海外へ拠点を移したのではないか」との見方が広がっている。

警察によると、今回送還された中の一部には「犯罪組織構成・活動」容疑が適用された者も含まれており、組織的な暴力集団がカンボジアで再編されている可能性がある。

建国大学警察学科のイ・ウンヒョク教授は「カンボジアの犯罪組織は中国人の首領のもとに韓国人の中間幹部が配置される構造になっている。上下関係や忠誠誓約など、典型的な暴力団的性格を帯びている」と分析する。

カンボジアの犯罪情報チャンネル「チョンマ」は10月19日、ある男性が自ら指を切断しようとする映像を公開した。投稿者は「恐怖に耐えきれず、脅迫に従って自傷を試みた」と説明した。こうした行為は、2024年に韓国内で一斉摘発された“MZ暴力団”のやり口と酷似している。

警察が2025年7月に摘発した暴力団「真成派(チンソンパ)」の規約にも「脱退者は指を切断する」との文言があったとされる。この組織は暗号資産(仮想通貨)による資金洗浄やボイスフィッシング組織への携帯SIM提供を通じて勢力を拡大していた。

さらに、韓国の暴力団とカンボジア犯罪組織の連携も確認されている。蔚山警察庁は10月14日、全羅南道を拠点とする暴力組織「白鶴派(ペクカクパ)」のメンバー38人を立件したと発表した。彼らはカンボジア各地に広がる犯罪組織の資金洗浄を担っていた疑いがあるという。

イ・ウンヒョク教授は「今回送還された者たちは、オンライン詐欺を中心に活動していた“MZ暴力団”の一部である可能性が高い。犯罪組織構成罪が適用されているなら、実質的には暴力団と見なせる」と指摘した。

一方、関税庁の資料によると、カンボジアからの入国者のうち「ブラックリスト」に該当する人物(前科者・麻薬犯・指名手配者など)は、2020年の334人から2024年には1993人へと約6倍に急増している。

警察の大規模な暴力団取り締まりの影響で、国内での活動が難しくなった若年層中心の暴力組織が、監視の緩いカンボジアなど海外に活動拠点を移しているとの見方が強まっている。

(c)news1

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