プラスチックは日常生活で広く使われる一方で、深刻な環境問題を引き起こす。いま目を引いているのは、無分別に使われてきたプラスチック排出量を減らすための人工知能(AI)の活用だ。
韓国のスタートアップ「イノバス(INOBUS)」が開発したAI回収箱「スセム」は、モノのインターネット(IoT)機能を活用して使い捨てプラスチックカップを分離回収するゴミ箱だ。利用者が投入口にペットボトルを入れると、AIがリサイクル可能かどうかを判断して回収する。自動化圧縮システムで大容量ペットボトルも収集可能だ。
使い捨てプラスチックカップを洗浄して収集、選別する「スセム ReCUP」も公共機関に提供している。リサイクルの可否を自ら判断し、回収と分類まで自動的に処理して時間と人件費を減らす効果もある。利用者はリサイクル後に付与されたポイントで寄付やさまざまなイベントにも参加できる。
◇「ゴミがお金になり、リサイクルが遊びになる」
スタートアップ「スーパービン(SuperBin)」が開発したAI循環資源回収ロボット「ネフロン」も注目のAIゴミ箱だ。「ゴミがお金になり、リサイクルが遊びになる世の中を作る」という発想からリサイクルに取り組んでいる。
機器にリサイクルゴミを投入すれば、イメージセンシングAIにより循環資源になるかどうか判断する。利用者はゴミがリアルタイムで移動して圧搾される様子を見ることができる。ディープラーニング方式で選別精度も高めている。現在、全国に1000以上設置されており、引き続き拡大中だ。
ネフロンもリサイクルの際にポイントを積み立てる。1ポイントで1ウォンの価値があり、缶とペットボトル1個当たり10ポイントを付与する。積み立てたポイントが2000ポイント以上になれば、スーパービンのアプリで換金の申請が可能だ。
スーパービンは「捨てられるゴミを再び素材として活用できるよう選別収集システムや物流インフラを再設計し、以前になかった新たな方法の循環経済を構築する」と説明した。
このようにAIが組み込まれたリサイクルを通じて現金報酬を受ける「エコ財テク」は20~30代を中心に人気を集めている。誰もが知っているのに実践に移すことが難しかったリサイクルに、参加する人が多くなるため、環境問題を解決する代案として位置づけられている。
(c)news1