2025 年 1月 6日 (月)
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韓国「正体不明の小包」通報2000件を超える…中国に「事実関係の確認」要請

全国各地に送られた不審な小包(写真提供=警察庁)(c)news1

中国から台湾を経て韓国に入ってきたものと推定される正体不明の小包関連の通報が、全国で2000件以上受け付けられた。韓国側は中国側に対し、発信地の追跡のための捜査協力を要請し、中国側から「(事実関係の確認のため)最大限協力する」という返事を受けているという。

◇韓国各地で確認

韓国の警察庁は、正体不明の小包関連の通報が20日から23日午後5時まで計2058件受け付けられたと発表した。

警察が郵便物を回収した件数は645件で、1413件は誤認・相談で終結した。市道庁別の受付はソウル庁が506件で最も多く、他は次のようになっている。

▽京畿南部(キョンギナムブ)庁499件
▽京畿北部(キョンギプクプ)庁142件
▽仁川(インチョン)庁98件
▽慶尚北道(キョンサンプクト)庁98件
▽忠清南道(チュンチョンナムド)庁94件
▽全羅北道(チョンラプクト)庁84件
▽大邱市(テグシ)庁73件
▽忠清北道(チュンチョンプクト)庁71件
▽釜山(プサン)庁70件
▽大田(テジョン)庁70件
▽全羅南道(チョルラナムド)庁58件
▽光州(クァンジュ)庁57件
▽蔚山(ウルサン)庁51件
▽慶尚南道(キョンサンナムド)36件
▽江原道(カンウォンド)30件
▽済州道(チェジュド)庁12件

郵政事業本部が類似タイプの国際郵便物の韓国搬入を一時中断することにしたため、これ以上は大幅に増えないとみられる。

◇化学・生物・放射能で「陰性」

韓国の各地に送られた正体不明小包は、大人の手のひら2つ程度の大きさで黄色や黒い郵便封筒に「CHUNGHWAPOST」「P.O.Box100561-003777、TaipeiTaiwan」と書かれているのが特徴だ。

郵便物開封後、毒物が疑われるという通報が寄せられているが、実際の被害事例はまだない。

蔚山障害者福祉施設で発見された小包について警察が国防科学研究所に危険物質分析を依頼した結果、化学・生物・放射能部門ですべて「陰性」と判明した。

◇対応に追われる各機関

警察は蔚山障害者福祉施設に来た2個の小包が中国から台湾を経て国内に入ってきたと見ている。これに対し警察は発信地を追跡するため、中国公安省に捜査協力を要請した。

韓国外務省も23日、中国当局に正体不明の小包の事実調査と関連説明の提供など協力を要請したと明らかにした。外務省関係者は「中国地域の韓国公館を通じて中国外務省と関連当局、該当する地方政府と接触して迅速な事実関係確認・説明を要請した。中国側も韓国側要請に『最大限協力する』という立場を知らせてきた」と話した。

大統領室もまた、キム・テヒョ国家安保室第1次長主管で関係省庁の状況会議を開き、これら小包と関連した諸般事項を把握し、今後の措置案を総合点検した。大統領室は実態の把握に全力を傾ける一方、関連情報のリアルタイム共有と公開方法などを検討した。

◇「ブラッシング詐欺」?

今回の事案について一部では「ブラッシング詐欺」の可能性を提起している。注文していない物を多数に発送してオンライン販売実績を増やす行為をいう。

2020年にも中国の住所が書かれた小包が米全域に送りつけられ「生化学テロ」の可能性が提起されたが、結局はブラッシング詐欺と結論付けられた。その小包の中には植物の種が入っていた。

外務省関係者も「カナダ・米国などで過去に発生した類似事例や対応を把握し、参考にする」と説明している。

(c)news1

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