2025 年 10月 31日 (金)
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韓国「公共深夜薬局」利用者9割が「拡大・広報強化が必要」

天安市内の公共深夜薬局(c)NEWSIS

韓国で深夜や休日にも営業する「公共深夜薬局」を利用した市民の約9割が「薬局数を増やし、広報を強化すべきだ」と考えていることがわかった。

国会保健福祉委員会所属のチャン・ジョンテ議員(共に民主党)が保健福祉省から提出を受けた資料によると、公共深夜薬局は導入初年度の2022年に71カ所だったが、今年8月時点で220カ所に増え、3年間で3倍以上に拡大した。

政府は2022年から、夜間・深夜時間帯における医薬品購入の不便を解消し、医薬品へのアクセスを確保するため、この制度を支援している。主に午後10時から翌午前1時までの3時間を営業する薬局が対象となる。

地域別では、京畿道が59カ所で最多、次いでソウル市33カ所、仁川市20カ所、釜山市15カ所の順。世宗市は2カ所と最も少ない。

大韓薬剤師会が昨年実施した「公共深夜薬局利用者満足度調査」によると、総合満足度は91.3点と高かった。一方で「営業時間や所在地など情報検索」に関する満足度は85.9点と相対的に低かったが、前年より3.7点上昇している。

利用者の主な要望としては「薬局数の拡大」(43%)と「広報の強化」(40%)が上位を占めた。93%の利用者が公共深夜薬局の拡大に賛成し、97%が「必要だ」と回答。特に慶尚圏や江原地域では「非常に賛成」とする割合が高かった。また、96.4%の利用者が「広報を強化すべきだ」と答えている。

実際、50代の女性利用者は「秋夕(チュソク)連休中に歯ぐきの治療を受けた後、薬を処方してもらいたかったが、近くに開いている薬局がなく鎮痛剤で我慢した。公共深夜薬局があると知っていれば行っていた」と話した。

一方で、公共深夜薬局1カ所あたりの1日平均利用者数は前年より減少しており、運営を維持するための費用支援が課題となっている。2023年の1日平均利用者数は16.44人で、深夜営業に必要な経費をまかなうには不十分。昨年はさらに減り、1日平均9.04人にとどまった。

大韓薬剤師会は「公共深夜薬局の安定運営には現実的な支援策が必要」とする報告書を公表。経済的・人材的負担を軽減できる政策支援の検討を求めた。

(c)NEWSIS

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