2024 年 12月 22日 (日)
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韓国「デジタルプラットフォーム政府」の思惑 (下)

韓国知能情報社会振興院のファン・ジョンソン院長(c)MONEYTODAY

――韓国のデジタル能力は、新成長エンジンとしても注目されている。

ファン院長 世界が新型コロナウイルス感染のパンデミック期間に、半ば強制的にデジタル転換プロセスを体験することになった。クラウド・AI・ビッグデータなど、韓国の情報技術水準やデジタル転換力に対する発展途上国の信頼度は非常に高い。こうした自信を土台に、ユン大統領が9月、デジタル先導国としての「ニューヨーク構想」を世界に表明したりした。

最近、サウジアラビアの未来都市「ネオムシティ」プロジェクトが関心事として取り上げられている。われわれのスマートシティ技術力ならば、サウジ以外の国でも多くの機会を得られるだろう。

大統領が「ニューヨーク構想」を強調し、政府が「韓国デジタル戦略」で支え、社会ではデジタルプラットフォーム政府のような革新プロジェクトが進められる。模範的国家といえる。こうした流れを続けられれば、韓国のデジタル能力を、半導体やスマートフォンに劣らない「輸出品」として育てることができる。

――海外データセンター構築事業にはかなりの経済誘発効果が見込まれる。

ファン院長 途上国ではデータの価値が高まるにつれ、データ経済の民主化とともに国家の「データ主権(Data Sovereignty)」の概念が重視されている。だが途上国がセキュリティへの不安や技術的従属などの問題で米国や中国との協力は敬遠し、検証された技術力を持つ韓国との協力を通して、各国独自のデータセンターの構築を希望している。

一例として、NIAが主軸になって推進しているインドネシア政府データセンター構築事業は1800億ウォン規模の借款が投入され、来年発注される。データセンターを1つ構築すれば、ここに韓国のハードウェア・ソフトウェア企業が進出するチャンスが自然に生まれる。

NIAは途上国のデータセンター構築の需要に合わせて「輸出支援センター(仮称)」を運営するつもりだ。さらに、途上国に合わせたデータセンターのモデルを開発し、迅速に対応できる態勢を整えていく。

――新型コロナウイルス感染のパンデミック後、デジタル格差が深刻化している。

ファン院長 これまでデジタルの恩恵を受けにくい脆弱階層への補完対策が増えている。だが今後は「補完」ではなく「核心政策」として定着させる必要がある。例えば、新たな技術に疎い人々にもしっかり教える、ということよりも、学ぶ努力を必要とせずに利用できる技術の開発に努めるべきだ。

――デジタルへの過度な依存も深刻な問題だ。

ファン院長 子供がスマートフォンばかりを使い、頼りすぎるような場合、親はそれをやめさせようとする。ここで重要なのは、親が子供たちとどう過ごし、どう活動しているのかを調べてみることだと、専門家は助言している。対象者の社会的、空間的、経済的な脈絡を総合的にとらえた対策を考えている。

――今後、NIAが重点を置く事業は。

ファン院長 NIAの存在理由は、政策づくりと国家機関などの支援だ。このために望ましい未来像を描き、新たな道を開拓するのに必要な規則・指針をつくり、政策における成果を高めるために診断・評価機能を強化する。

(c)MONEYTODAY

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