2024 年 12月 22日 (日)
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韓国「デジタルプラットフォーム政府」の思惑 (上)

韓国知能情報社会振興院のファン・ジョンソン院長(c)MONEYTODAY

日本のデジタル庁に相当する韓国知能情報社会振興院(NIA)のファン・ジョンソン院長がこのほど、マネートゥデーのインタビューに応じた。ファン院長はNIAの最優先課題を「デジタルプラットフォーム政府」支援と位置づけ、韓国のデジタル能力を国家の新成長動力に育てる必要があると強調した。

デジタルプラットフォーム政府とは、ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権が掲げるビジョンで、国民や企業、政府が、あらゆるデータが結びついたデジタルプラットフォーム上で問題を解決し、新たな価値をつくり出すというもの。

NIAは行政安全省(日本の総務省に相当)と科学技術情報通信省の共同傘下にあり、デジタルの司令塔の役割を担う。ファン・ジョンソン氏は今年8月25日、院長となり、今月2日で就任100日を迎えた。

――ここまでの感想は。

ファン院長 忙しすぎた。1995年にNIA前身の韓国電算院に入って以来、27年間、組織の一員として過ごしてきた。院長職がこれほど忙しいとは思わなかった。NIAの業務は非常に幅広い。特に、第4次産業革命、デジタルトランスフォーメーション、他のどんなプロジェクトを見ても、われわれが時代の転換期を迎えていることを痛感する。この変化を読み間違えたら大変なことになるだろう。

NIAは韓国における情報通信技術(ICT)政策のシンクタンクだ。これまで超高速インターネット強国、世界最高レベルの電子政府達成という成果を導いてきた。今後、デジタル経済や技術覇権競争を先取りするため、人工知能(AI)やクラウドなど重点推進分野における国の能力の結集に集中する必要がある。

過去の産業化と情報化が、こんにちの韓国を作ったように、未来に向けて新たな発展の動力が不可欠だ。その一つであるデジタルプラットフォーム政府を通じ、データやAI競争力を高め、韓国の未来を明るくすることがNIAの使命だ。

――デジタルプラットフォーム政府支援本部を新設した。

ファン院長 デジタルプラットフォーム政府はユン政権の重点公約であり、代表的な国政課題だ。デジタルプラットフォーム政府委員会が9月に発足したため、同委員会を専門的に支援する組織を速やかに新設するよう求められた。支援本部は政府委員会と緊密に連携し、関連する政策・企画、革新サービス発掘、プラットフォーム高度化などの役割を担っている。

――だが、多くの国民は依然、抽象的な課題だと受け止めているようだ。

ファン院長 国民がデジタルプラットフォーム政府を「ユン政権のプラン」として考えるなら成功は難しい。特定政権の専有物ではなく「デジタルプラットフォーム政府が定着すれば、われわれの日常が良くなる」ということを経験・体感しなければならない。これまでの社会的不条理・非効率をデジタルプラットフォーム政府によってどう改善できるか、その未来像を国民に示す方法を模索してみる。

(c)MONEYTODAY

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