2025 年 1月 11日 (土)
ホーム政治韓国、激化する「陰謀論」と「分裂」…高まる「暴力の懸念」

韓国、激化する「陰謀論」と「分裂」…高まる「暴力の懸念」

8日、ソウル市龍山区漢南洞の大統領官邸近くで、集会を開く大統領を支持する保守団体(c)news1

韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の弾劾をめぐる対立が激化する中、ソウル市龍山区漢南洞の大統領官邸周辺では陰謀論や偽ニュースが蔓延している。

保守系の集会では「親北」や「主思派(主体思想派)」といった言葉が頻出し、弾劾を推進する勢力を「親北主思派」と非難する主張が展開されている。自由統一党を率いるチョン・グァンフン牧師が主導する集会では「中国や北朝鮮が不正選挙に介入した」など、根拠のない主張が広まっている。チョン・グァンフン氏はさらに「災害は左派的現象によるものだ」と述べ、物議を醸している。

こうした陰謀論は極右系YouTuberを通じて広がり、さらに与党・国民の力の一部議員が集会に参加することで拡大している。ユン・サンヒョン議員は「司法、選挙管理委員会、親北主思派が結託した『3大黒幕カルテル』が国家秩序を乱している」と発言し、物議を醸した。

一方、進歩系陣営でもユン大統領が官邸を離れ「逃亡した」という説が拡散し、黒い車両が官邸を出る動画がSNSで話題になった。しかし、後にユン大統領が官邸にいる姿が報道され、逃亡説は否定された。

専門家は、陰謀論が政治的分裂を深め、暴力的な行動を引き起こす可能性を警告している。20~30代の若者を中心に結成された「反共青年団」は「ナチスの親衛隊」を彷彿とさせると懸念されている。中央大学のイ・ビョンフン名誉教授は「陰謀論が暴力に転じる可能性が高い」と述べ、社会的規制の重要性を指摘した。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular