2025 年 7月 23日 (水)
ホーム経済IT/メタバース韓国、ヒューマノイド戦線に本格参戦…アメリカ・中国に挑む技術力

韓国、ヒューマノイド戦線に本格参戦…アメリカ・中国に挑む技術力

ROBOTISのセミヒューマノイド「AIウォーカー」(c)KOREA WAVE

フィジカルAI(現実世界の状況を把握し、人間のような行動を取ることを目指すAI技術)が次世代の成長エンジンとして浮上する中、韓国企業がヒューマノイド分野で存在感を拡大できるかに注目が集まっている。

ROBOTISは独自開発したセミヒューマノイドロボット「AIウォーカー」を2025年中にオープンAIへ供給する。数量は公開されていないが、同社はすでに2025年下半期に国内市場で100台の販売を目標に掲げている。

AIウォーカーは両腕を使った複雑な作業の遂行能力が強みだ。カメラとセンサーを通じて人の動作を学習し、物体の位置や形状が変わっても別途の指示なしで自ら作業を遂行することができる。

ROBOTISは今年第4四半期に車輪型モバイルベースモデルの発売を控えており、これまで研究・開発用途にとどまっていた供給範囲が拡大すると予想されている。

RAINBOW ROBOTICSは、移動型の両腕ロボット「RB-Y1」で国内外市場の攻略を進めている。発売から1年で累計80台余りを販売しており、2025年下半期にも40~50台の追加納品が予定されている。

RAINBOW ROBOTICSの移動型両腕ロボット「RB-Y1」=RAINBOW ROBOTICS(c)KOREA WAVE

特に、サムスン電子が累計35台を購入しており、MIT(3台)、UCバークレー(2台)など、海外の有力研究機関も顧客に名を連ねている。

RB-Y1は、車輪型の高速モバイルベースに両腕ロボットを搭載したセミヒューマノイド型。両腕それぞれが7自由度(DoF)、胴体は6軸の自由度を備えている。上下に50cm以上の動きが可能で、産業用マニピュレーションと機動性の両面でその能力が実証されている。

国内のIT企業もヒューマノイド競争に本格的に参入してきた。ネイバーラボは米MITのキム・サンベ教授チームと手を組み、二足歩行型ヒューマノイドを開発中だ。

今月中に、城南・板橋の1784スマートビルディングで性能テストに突入する。ネイバーのロボット統合プラットフォームであるAI・ロボット・クラウド(ARC)との連携の可能性も高い。

現在のヒューマノイド市場は、アメリカと中国が主導している。アメリカではテスラが「オプティマス」第2世代モデルを公開し、商用化を加速させており、フィギュアAIはオープンAIとの協力を通じてBMWの工場にロボットを納入している。

中国は低価格・大量生産戦略で市場シェアを拡大している。「宇樹科技(Unitree Robotics)」のG1モデルが代表的だ。宇樹科技は春節直後の2025年2月に、中国の電子商取引大手JD.com(京東商城)でヒューマノイドロボットG1とH1の予約販売を開始するやいなや、即完売に成功した。

専門家らは、韓国が、資本力や大量生産の面でグローバルビッグテックと競争するのは容易ではないとみている。ただ精密部品やAIソフトウェアの競争力を基盤とするフィジカルAIの高付加価値市場においては、成長の可能性が高いとの期待が出ている。

韓国政府も2030年までに3兆ウォン以上を投資し、知能型ロボット100万台の普及を推進している。「K-ヒューマノイド連合」も発足し、生態系の構築に乗り出している。

(c)KOREA WAVE

RELATED ARTICLES

Most Popular