韓国産業通商資源省は18日、韓国水力原子力(韓水原)がチェコの新規原発事業の優先交渉権を獲得したと明らかにした。フィンランド、スウェーデン、オランダなど他の欧州各国の原発事業受注にも弾みがつきそうだ。
今後、韓水原はチェコ・ドコバニ原発5、6号機のために韓電技術(設計)、斗山エナビリティ(主機・施工)、大宇建設(施工)、韓電燃料(核燃料)、韓電KPS(試運転・整備)などと1000メガワット(MW)級の大型原発(APR1000)を建設する。最終交渉は来年3月ごろだ。
この日のブリーフィングでアン・ドクグン産業通商資源相は「入札競争が(韓、仏の)2カ国に固まった4月から、ほとんど毎日、大統領室に報告し、全省庁が全方位的に協力した」と語った。
ドコバニ5、6号機の予想事業費は約24兆ウォンだ。建設後の運営やメンテナンス、核燃料など、後続事業の規模も建設費を上回るものと予想される。2029年に着工、2036年に1号機を完成させ、2号機は1~2年の間隔を置いて建設を終えたい考えだ。
アン・ドクグン産業通商資源相は「チェコ政府が2号機建設後、5年後に追加建設の可否を検討する。電力需要の急増を勘案すれば、その期間が短縮されることもあり得る」と見通した。
◇「事業予算・期限厳守、K-原発の競争力を立証」
今回、優先交渉権を獲得できた背景について、韓国の原発産業の技術競争力と信頼性を挙げた。つまり、予算に合わせて期間内に事業を推進する管理力を立証したのが韓国だけだったということだ。
韓水原のファン・ジュホ社長は「チェコ産業省の幹部に説明するため、午前6時半に来てほしいという要請を受けたこともあるが、私たちは午前5時半に行って備えた。相手の『すごい』という反応を聞いた時、少し心をつかんだと思った」と回想した。
今回の原発建設事業のうち、約60%はチェコ現地企業が参加する見通しだ。アン・ドクグン氏は「契約途中なので確定した事ではないが、現地企業の参加率自体はフランス側が提案した数値が我々より高かった。だが、数値の高さが重要なのではなく、核心となる資機材の関連なのか、あるいはチェコ産業界に実際に役立つのか、が重要な変数だ。韓水原が協力関係を強め、良い案を提示するだろう」と話した。
◇「ダンピング」受注ではないか…金融支援もチェコ
一部では、韓国が今後、チェコ原発事業の最終交渉まで完了できるか懸念する向きもある。2018年に韓国電力が英国原発の優先交渉権を獲得したものの、その後、地位を喪失した事例などがあるためだ。ファン社長は「韓電が主導した事業だが、当時は我々が推進するのに適切ではなかったので事業を中断したと聞いている」と説明した。
チェコ原発事業がダンピングで推進されるのではないかとの疑問について、アン・ドクグン氏は「理屈に合わない。我が国の技術力と事業管理能力に基づいて価格競争力を持つ」と強調した。
さらに「今回の事業に対する金融支援は、全面的にチェコ政府の財源によるものとなる。追加交渉の段階でチェコ政府が要請する場合、投資に参加できるとは提案したが、選定条件には含まれなかった」と説明している。
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