◇カカオトーク内でメタバースを実現
今後、カカオトーク内でメタバース空間もお目見えする。ただ、カカオトークでは従来のアバター(3Dキャラクター)中心のメタバースプラットフォームとは異なる形で生み出されるそうだ。
ナムグン・フン代表は「華やかなアバターや3Dキャラクターでなくても、音声やイメージ、テキストなどでメタバースを実現することができる」と話す。ユーザーが選択した音声やメッセージ、テキストがキャラクターの代わりになる――という説明だ。
これによりメタバースを、3D仮想空間ではない、カカオトークのオープンチャットで具体化するという構想を抱く。
ナムグン代表は、メタバースの核心が、3D実現ではなく、ユーザー間の相互作用と考える。その一環として描いているのが、ユーザーがコンテンツを製作し、取引しながら収益を創出するというモデルだ。
最も有力な方法は、オープンチャットを選択した部屋そのものを有料化することだ。「オープンチャットには既に情報を交わす空間がある。そこを今後、部屋ごとに有料化する方法も可能だろう。例えば、株式情報を共有する部屋が対象になるかもしれない」
ナムグン代表はこう見通す。
◇カカオトークはなぜ変わるのか
ナムグン代表がカカオトークの変革に乗り出した理由は何か。
ひとことでいえば「拡張性の限界」を体感したためだ。これは「知り合いをつなぐチャット中心」の限界ともいえる。
ナムグン代表によると、カカオトークのアプリ内にビュータップ、ショッピングタップなど、さまざまなサービスが備わっている。ビュータップやショッピングタップは昨年3月にカカオがコンテンツとオンラインショッピングを1カ所に集め、カカオトーク下段に設置したサービスだ。
なのに、期待していたほどのアクセス数は得られなかった。
ここにナムグン代表が言う「限界」がある。それは「友人とのチャットが終われば、その途端、アプリを閉じてしまう」ことだ。
この問題をめぐり、ナムグン代表は取締役らと話し合いを重ねた末、一つの結論に達した。
従来のカカオトークのままでは収益拡大が困難である。カカオトークには根本的な変化が必要――。
ナムグン代表は変化の方向を「友人との約束のための江南駅」とした。どういうことか。「ラフな楽しみというものを中心に据え、利用者を拡大する」ということだ。
ユーザー拡大のために出発点として、先述のカカオトークプロフィールなどを選んだ。「プロフィール、ひとことメッセージなどと広告を結びつければ、収益創出につながるだろう」。ナムグン代表はまずはこう見通している。
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