2025 年 6月 15日 (日)
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金正恩総書記より「一段高い場所」に立った娘…高まる「象徴的地位」、再注目の「後継者説」

新型駆逐艦「カンゴン」号の進水式に出席した北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と娘=労働新聞(c)KOREA WAVE

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記の娘の「象徴的地位」がさらに高まっている。最近報じられた写真では、娘が公の場で父であるキム総書記より一段高い場所に立つという極めて異例の姿が確認され、後継者説に再び注目が集まっている。

北朝鮮の労働新聞と朝鮮中央テレビは13日、羅津造船所で12日開かれた新型駆逐艦「カンゴン」号の進水式の様子を報じた。娘はこの式典において、父のキム総書記のすぐ隣で行事に参加し、いわば「指導者級」としての待遇を受けた。

特に注目されたのは、海軍兵士の敬礼を受ける場面で、娘が進水台の階段でキム総書記より一段上に立っていた写真だ。北朝鮮では、最高尊厳とされるキム総書記の上位に立つ行為は重大な礼儀違反とされ、極めて慎重に扱われるだけに、これが意図的な演出である可能性が高いとみられる。

さらに、艦首付近で撮影された写真では、娘が中央に立ち正面を見据えている一方、キム総書記はその脇に立っていた。こうした構図も、娘の存在感を際立たせる意図があると指摘されている。

今回の姿だけで娘の政治的序列や地位を判断するのは早計だが、過去数年にわたって「後継者説」が浮上してきた流れを踏まえれば、彼女の“準指導者”的扱いは明らかに強化されている。

進水式では母リ・ソルジュ(李雪主)氏の役割を代行するかのような娘の振る舞いも印象的だった。落ち着いたツーピースの正装に加え、姿勢や目線の処理、聴衆への対応などは、3年前に大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射場で父に手を引かれながら登場した少女の姿から一変し、「次世代のリーダー」として訓練された印象を与えた。

娘の動きは今年に入りさらに広がりを見せており、先月にはキム総書記とともに駐北ロシア大使館を訪問、外交舞台に初登場したことも注目された。

これにより、娘の登場は単なる家族的同行ではなく、体制の「世襲性」や「白頭血統」の正統性を示す象徴的存在としての意味が強まっている。今後は北朝鮮のメディアが彼女をどう呼称するか、また成人後に公式職位が付与されるかなどが注目される。

(c)news1

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