2025 年 12月 26日 (金)
ホーム政治北朝鮮金正恩総書記の専用車ナンバーが「7・27 0001」に変更…「体制の象徴」ナンバーに注目集まる

金正恩総書記の専用車ナンバーが「7・27 0001」に変更…「体制の象徴」ナンバーに注目集まる

朝鮮中央テレビが報じたキム総書記の専用車。2025年12月19日に開かれた新浦市の工場竣工式に現れた際、車両のナンバープレートは「7・27 0001」となっていた=朝鮮中央テレビ(c)news1

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が使用する防弾専用車のナンバープレートが、従来の「7・27 1953」から「7・27 0001」に変更されたことが確認された。新番号は朝鮮戦争の「勝利日」として強調される7月27日を強調しつつ、「国家1号車」を示す象徴的な意味合いがあるとみられる。

朝鮮中央テレビは12月21日、キム総書記が19日に咸鏡南道・新浦(シンポ)市の地方工業工場竣工式に出席した様子を報道。ここでキム総書記が搭乗していた専用車「アウルス(Aurus)」のナンバーが「7・27 0001」であることが映像から確認された。

これまでキム総書記の車両には「7・27 1953」というナンバーが付けられていた。これは1953年7月27日の朝鮮戦争の休戦協定締結日を指し、北朝鮮が「戦勝の日」として公式に記念する日付でもある。キム総書記がかつて好んで吸っていたタバコにも「7・27」の名称が付けられていたほどで、体制の正統性を象徴する意味を持つ。

今回のナンバープレート変更が、従来車の番号を差し替えたのか、あるいは新たな車両を導入したものかは不明だが、韓国政府は両面から分析を進めているという。

キム総書記が乗車しているアウルスは、ロシア製の高級防弾車で、「ロシア版ロールスロイス」とも呼ばれる。2023年9月、キム総書記がウラジオストク近郊でロシアのプーチン大統領と会談した後、2024年2月にプーチン大統領から公式に贈呈されたと発表された。また、2024年6月にプーチン氏が平壌を訪問した際、両首脳がこのアウルス車に同乗した様子も労働新聞などで報じられた。当時のナンバーも「7・27 1953」であった。

さらに2025年9月、中国・北京で開かれた「抗日戦争勝利80周年記念行事」に出席した際も、キム総書記は同じナンバーのアウルスを専用列車に載せて移動させていたとされる。

こうした経緯から、「7・27 0001」という新たな番号の車両が登場したのは今回が初めてであり、キム総書記が「1号車」にふさわしい特別なナンバーに切り替えた可能性が高いとみられている。

なお、北朝鮮は2024年に関連法を改正し、2025年から個人による自家用車の所有を認めており、平壌を中心に乗用車の普及が進んでいる。これに伴い、さまざまな形式のナンバープレートが新設され、キム総書記の「7・27 0001」ナンバーは、最高指導者専用の「象徴的番号」として固定された可能性があると分析されている。

(c)news1

RELATED ARTICLES

Most Popular