2025 年 9月 1日 (月)
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金正恩総書記の娘、北京に現れるか…北朝鮮後継者説を巡り情報当局が注視

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記と娘(c)news1

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が9月3日に中国で開かれる「抗日戦争勝利80年記念行事」に娘を同行させるかどうか、注目が集まっている。最高指導者が中国のトップに子女を紹介することは、事実上「後継者認定」と受け止められる可能性が高いためだ。

2022年に初登場した娘は、その後「1号行事」と呼ばれる最重要儀式にたびたび姿を現し、母リ・ソルジュ(李雪主)氏の役割を代行するような場面も増えた。今年に入り、元山葛麻海岸観光地区の竣工式や新型駆逐艦「姜健」号の進水式では、父親を一段上から見下ろす位置に立つ姿が北朝鮮メディアで公開され、破格の待遇が話題となった。さらに娘の叔母にあたるキム・ヨジョン(金与正)党副部長が昨年、式典で娘に恭しく接する場面も確認されている。

北朝鮮の指導者が子女を伴って中国を訪問するのは極めて異例だ。先代のキム・ジョンイル(金正日)総書記は後継者内定から9年後の1983年に訪中して鄧小平と会い、中国から後継者承認を得たとされる。キム・ジョンウン総書記も2009年に後継者と内定し、2011年に中国を訪れて「デビュー」を果たした経緯がある。もし娘が北京を訪れるなら、それは単なる外交的随行以上の意味を帯びることになる。

ただ、情報当局や一部専門家の間では「娘は後継者ではなく未来世代の象徴」とする見方もある。最近はリ・ソルジュ氏の代役のような存在として行事に出席しているだけであり、今回中国訪問に同行しても後継者確定と結びつけるのは時期尚早だとの指摘だ。

一方で、中国が歓迎しない可能性も指摘される。今回の記念行事は中国にとって「大国アピール」の場であり、北朝鮮の後継者問題に注目が集中すれば本来のメッセージがかすむ。中国は米国に対抗する軍事パレードや中露朝の結束を演出することを優先するとみられ、娘の同行はむしろ控える可能性がある。

今回の訪中はキム総書記にとって初の多国間外交デビューでもある。中国としても、北朝鮮の後継者問題が表舞台に出ることで自国の主導的役割が薄まる事態を避けたい意向が働くとみられる。いずれにせよ、娘の動向は北朝鮮の権力継承問題と直結しており、国際社会が注視している。

(c)news1

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