
香港出身の音楽プロデューサーで政治活動家のハワードX。北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記に似せた装いで15年間活動を続けている。国際情勢で北朝鮮の話題が沸騰すると必ず姿を現す「偽ジョンウン」がこのほど、英メトロ紙とのインタビューで、自身の活動の意義と苦労を語った。
ハワードXは、2011年にキム総書記が最高指導者に就いた当時、自分が非常によく似ていると感じたことが始まりだという。キム総書記の風貌を真似た写真をソーシャルメディアに投稿したところ話題となり、やがて「偽ジョンウン」として舞台に立つようになった。
同氏は、キム総書記がミサイルを発射するたびに電話が鳴り続けると語る一方で、相手の出方をただ待つだけではなく、自らのプロジェクトを進めることが最も効果的だと述べた。遊び心で始めた活動だったが、風刺の力を通じて大きな注目を集めると認識したという。
これまでに米朝首脳会談、トランプ米大統領の就任式、オリンピック開会式、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議など多様な国際イベントの場に現れ、世界各地を巡った。ハワードXは「もし平凡な一参加者だったら無視されていただろう。偽物ジョンウンの格好は、民主主義という大義のために人々の視線を集めるのに本当に効果的だ」と強調する。
香港の民主化運動「雨傘運動」に参加した2014年には困難に直面し、その後、オーストラリアへ渡った経験がある。ベトナムで開催された米朝首脳会談の際には国外追放された。北朝鮮の工作員から尾行され、暴行も受けたという。
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