
北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記とプーチン露大統領が9月3日、中国で開かれた戦勝節行事に出席した後、儀典用車両に同乗する場面が公開された。この際、キム総書記の妹であるキム・ヨジョン(金与正)党副部長も後部座席に座り、依然として「1号随行秘書」としての存在感を示した。
露国営通信社RIAノーボスチによれば、両首脳は北京・人民大会堂で開かれた戦勝節リセプション後、釣魚台迎賓館に移動するため、ロシア製リムジンに搭乗した。公開された映像では、階段を降りてきた両首脳が互いに上座を譲り合い、最終的にプーチン大統領が助手席後部に着座。キム総書記は反対側から乗り込み、その後を追ってキム・ヨジョン副部長が同席した。座席の並びは左からキム・ヨジョン氏、キム総書記、プーチン大統領の順となった。
専門家はこの場面について、北朝鮮とロシアの首脳関係の「兄弟的な親密さ」を示す象徴だと分析する。韓国・慶南大学極東問題研究所のイム・ウルチュル教授は「キム・ヨジョン氏が自然に車へ同乗できたのは、両首脳の強固な信頼関係を物語る」と指摘し、さらに「実務的な協議がその場で交わされた可能性もある」と述べた。
また、今回の行事にはキム総書記の娘の姿はなかった。専門家は、これは多国間外交の舞台に配慮した結果であり、同時にキム・ヨジョン氏が依然として随行秘書としての地位を確固としていることの証左だとみる。
韓国・統一研究院のホン・ミン上級研究委員も「プーチン大統領が同乗を受け入れたこと自体がキム・ヨジョン氏の影響力を示している」と指摘。「後継者論」に関しては「党内での公式な後継者指名や体制内での承認後に中国を訪問するのが従来のパターンだった。現時点で断定するのは早計だ」との見方を示した。
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