2025 年 9月 8日 (月)
ホーム政治北朝鮮金正恩総書記、訪中前に咸興軍需団地に2日間滞在…国境越え直前に新義州駅停車

金正恩総書記、訪中前に咸興軍需団地に2日間滞在…国境越え直前に新義州駅停車

9月2日付労働新聞。写真の駅は平壌駅ではなく新義州駅とみられる(c)KOREA WAVE

北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が中国で開かれた抗日戦争勝利80年記念式典に出席する直前、咸鏡南道咸興市に2日間滞在していたことが確認された。北朝鮮メディアは当時の現地指導の位置を明らかにせず、一部では慈江道と推測されていたが、韓国政府・情報当局は咸興と判断している。

キム総書記は8月30日に楽園郡の養殖事業所竣工式に出席した後、31日には咸興の新設軍需工場を視察。9月1日にはミサイル総局傘下の化学材料総合研究所を訪問した。ここは2017年にキム総書記が視察した国防科学院化学材料研究所と関連があるとみられる。研究所では炭素繊維複合材を活用し、大推力固体燃料エンジンを大陸間弾道ミサイル「火星砲-19」系列や次世代型「火星砲-20」に適用する計画が示された。

その後、キム総書記は同日午後に平壌へ戻り、専用列車で北京へ出発したとされる。労働新聞は「1日、平壌から出発」と報じたが、政府関係者によると、実際に写真が撮影されたのは平壌駅ではなく新義州駅であった。キム総書記は1日夜、新義州で一時停車し、翌2日未明に国境を越えたという。

これまで海外訪問時には平壌で大規模な送迎行事が開かれてきたが、今回の訪中ではそうした場面がなく、新義州での短い停車シーンが報じられた。

結果的に、キム総書記の訪中直前の動線は「平壌→楽園→咸興(2日間)→平壌→新義州」と整理される。これは生涯初となる多国間外交舞台に臨む前に、国内向けに民心を固め、軍需産業を点検し、同時に中国・ロシアと「事実上の核保有国」として並ぶ姿を誇示する狙いがあったとみられる。

(c)news1

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