北朝鮮のキム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長が5日、談話(4日付)を発表し、韓国が「軍事的対決」を選択するなら「核戦闘武力は自己の任務を遂行しなければならなくなる」と再び威嚇した。
キム・ヨジョン氏は今回も韓国のソ・ウク(徐旭)国防相の発言に触れ「取り返しのつかないとても大きなミス」としたうえ「われわれを敵と称し、前提をつけて先制的にわれわれを打撃する可能性についてうんぬんしたこと自体が、極めて危険でよくない発想」と非難した。
キム・ヨジョン氏は自分たちが「核保有国」であることを改めて強調し、「核保有国に対する先制攻撃」を「話にならない。妄想である」と再び非難した。
ただ「キム・ジョンウン(金正恩)総書記は既に、われわれの主敵は戦争そのものであると明確にしている」と述べ、「誰かがわれわれに手出ししないなら、われわれは決して誰かを先に攻撃しない」と述べた。これはキム総書記が昨年10月、国防発展展覧会での演説で「南朝鮮(韓国)と米国が主敵ではなく戦争そのものが主敵」と発言したことが、依然として有効である点を強調したものとみられる。
特にキム・ヨジョン氏は「われわれは、南朝鮮を狙って一発の銃弾・砲弾も撃たない」「(韓国を)われわれの武力の相手と見なさない」「互いに戦ってはならない同じ民族」と言及した。
キム・ヨジョン氏の今回の談話は、ソ氏の発言に対して重ねて非難を加えているが、前回より詳細な立場を盛り込んでいる。また、前回言及された脅威に伴う実際の行動についても、まだ言及はない。
韓国側から脅威を加えなければ、北朝鮮も物理的行動に出ないと表明した背景には、ユン・ソンニョル(尹錫悦)次期政権の発足を1カ月後に控えて警告メッセージを送り、対北朝鮮政策に影響を与えようという意図があるようだ。
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