名ばかり社長は、労働者と言えるのか――。
韓国で、チキンの配達中に事故で死亡したA氏の遺族らが、勤労福祉公団を相手に起こした遺族給与や葬儀費の不支給処分取り消しを求めた裁判で、ソウル行政裁判所は、原告側勝訴の判決を出した。
A氏はチキンの配達業務中にバイクを運転していたところ、駐車中のクレーンと衝突して死亡した。その後、遺族たちは勤労福祉公団を相手に遺族給与や葬儀費支給を請求した。
しかし、公団は「死亡したA氏は事業主(社長)であり、勤労者と見ることはできない」との理由で支給を拒否した。事業所(チキン店)の所有者はA氏で、事業所の口座もA氏名義であり、労働者とみなすことはできないと主張していた。
これに対し、裁判所は「事業所の口座を全面的に管理していたのは、A氏と先輩後輩の間柄だったB氏だった」とし、A氏は実態として事業主には当たらないと判断。公団が原告らに対し、遺族給与や葬儀費を支給するよう命じた。
裁判所は「事業所では事実上、A氏がB氏に雇用されていた。実態をふまえ、A氏は勤労者として見るべきだ」とした。
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