最近、韓国の山々で外国人観光客と遭遇する機会が増えている。山と都市が隣接している独特の環境が外国人登山者の間で話題となり、観光スポットとしての注目が集まっている。
ソウル観光財団とソウル市によると、今年1~10月、ソウルの北漢山と北岳山に設置された「登山観光センター」には約2万人の来訪があり、前年の2倍以上となった。北漢山センターでは人気の登山用品をレンタルし、観光情報も提供。訪問者の多くが登山用靴やスティック、登山服を利用しており、登山後に訪れる名物のスンドゥブ(豆腐)店も人気だ。
また、韓国各地の山岳観光地も外国人観光の活性化を支えている。雪岳山や済州島の漢拏山周辺のリゾートホテルは、自然景観を求める外国人からの人気が高まっており、Eランドグループ運営のケンジントンホテル雪岳では、登山ルート案内を英語で提供している。
しかし、登山観光の実態調査や統計が進んでいないことも課題だ。韓国観光公社は「登山観光がトレンドとなっている現状を把握している。今後、予算が確保されれば、海外向けに登山観光をテーマとした商品企画を検討する」としている。また、各国立公園で実施されている外国人登山者の手書きの調査は不完全で、正確な統計データの整備が課題となっている。
登山観光は、滞在日数や観光支出を増やす高付加価値の観光となり得る分野だが、現在、観光関連省庁での注目度が低いのが現状だ。
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