「MZ世代の考えを共有し、遠慮のない意見を提示します」。韓国サムスン電子の生活家電事業部に最近できたMZ世代職員の集まりでの話だ。この集まりは定期的に開かれ、問題意識や考えを共有するという。こうした集まりは空想に終わらない。家電製品やサービス、ブランドに対する多様な意見は事業部に伝えられ、経営活動に反映されている。
持続可能経営報告書によると、サムスン電子はMZ世代と経営陣が意思疎通を図ることのできる窓口がいくつもあることがわかった。内部で浮かび上がったMZ世代職員の目線に合わせて、企業文化を革新するという判断と解釈される。世界的な人材不足現象が深刻化するなかで、職員の離職を防ぐという腹案とも読める。
テレビを作る映像ディスプレイ事業部では20~30代の考えと経験を事業部長に直接伝達する「ジェミボード」を運営中だ。ジェミボードはgenZ(Z世代)とミレニアルボードの略語だ。会社の製品と消費者トレンドからSNSで話題になっている事案まで、対象に制限がない。スマートフォン事業を担当するMX部門「Z世代ラボ」も同様だ。100人程のMZ世代の役職員が集まって考えを共有し、これを経営陣に直接伝える。
意見を伝えることからさらに進んで、若い世代に特化したブランドと製品マーケティングを直接企画・実行するプラットフォームもある。グローバルマーケティングセンターの「フューチャージェネレーションラボ」(未来世代研究所)がその主人公だ。多様な地域、業務、才能、文化的背景を持つ20代の職員が主軸となって活動している。
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