目は心の窓だと言われる。目を見れば相手の考えを読むことができる。関心が集まるところには視線が止まる。これを利用した「視線追跡技術」は多様な産業で使われている。
視線追跡技術を成功的に活用した代表的な事例が「K7」だ。これまでは車名を一部職員や公募で決めたが、あまり評価できない回答が混じることもあった。
韓国・起亜(キア)自動車は、より直観的に消費者の注目を集める名前をどうするか悩んだ。そのため視線追跡技術で車名を決めることにした。調査の結果、人々の視線が最も長く止まったアルファベットは「K」だった。そして起亜自動車のロングセラーK7が誕生した。
視線追跡技術は、ユーザーがどこをどれだけ見るかを把握できる技術だ。ユーザーの状態と視線の動きの行動様式を視線データにする。これを利用してユーザーの関心と興味を把握することができる。
◇多様な領域で活用
今はマーケティング領域で広く活用されている。ユーザーの視線が止まる所を活用して広告の位置や方向性を決めることができる。
映画製作会社WINNERブラザーズは視線追跡技術で映画ティーザー広告を作ったりもする。映画を見せ、最も視線が多く止まった場面をポスターに書いたりティーザー広告を作ったりするやり方だ。
今後、視線追跡技術は非対面教育・会議で多く活用されるものと見られる。オンライン教育業界は視線追跡技術スタートアップと業務協約(MOU)を結んでいる。一方向コミュニケーションという短所を解消できる技術だからだ。
例えば、オンライン授業をしても、学生がどの部分で居眠りしたのか、またはどこが理解できなかったのかフィードバックすることができる。特定領域から視線が外れるとアラームで知らせることができる。テレビ会議でも同じだ。
医療分野でも視線追跡技術に注目している。不安定な視線を事前に把握できれば、難読症、認知症、ADHDを早期に発見できるものと見られる。
視線追跡技術が大衆化すれば、手ではなく目でスマートフォンを操作することができる。視線が動くと下にスクロールし、ページを自動的にめくってくれる。まばたきでクリックすることもできる。私たちの手はより自由になるだろう。
しかし、視線追跡技術は隠したいことも明らかにできるため、プライバシー侵害も懸念される部分である。
それで仮想世界(VR)機器を作る会社も法的・制度的装置作りに力を入れている。副作用は最小限に抑え、便利さを与えるため、今も視線追跡技術は研究を重ねている。【news1 ソン・オムジ記者】
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