交通事故のひき逃げや飲酒運転など、犯罪を起こして逃走する車両を追跡する技術が韓国で開発された。光州(クァンジュ)科学技術院(GIST)の研究チームは、薄く広がる弾性接着剤を用いた電子機器を開発し、遠距離から目標物に確実に密着させる「回転展開接着技術」を発表した。
この技術を搭載した「発射接着弾」を車両に向けて発射すると、弾に装着されたGPS追跡装置により車両の位置をリアルタイムで追跡できる。最大10メートルの距離から発射しても目標物に正確に密着させることが可能だ。接着剤は発射時に回転しながら面積を広げることで、さまざまな素材の表面にも密着する。鉄板やガラスなど、異なる素材の車両にも問題なく対応できる。
さらに、研究チームはこの技術を応用し、緊急事態でのモニタリングや救助活動への利用を実験した。無線カメラを搭載した接着弾を火災現場の壁や天井に発射することで、現場内部の映像をリアルタイムで確認できる仕組みを構築した。また、接着弾にロープを取り付け、物資を運ぶなど救助活動への応用も試みられた。
GISTのイ・ジョンホ教授は「この技術により、GPSや通信機器、カメラ、センサーなど多様な装置を接着弾に搭載することで、治安維持や災害対応、国防、民間用途まで幅広い分野での活用が可能になる」と述べた。
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