超高齢化社会が近づく韓国で、銀行の相続ビジネスが大きくなっている。代表的な相続商品である「遺言代用信託」の残額が1年ぶりに1兆ウォン増えた。
KB国民(クンミン)、新韓(シンハン)、ハナ、ウリ、NH農協など5大銀行の遺言代用信託受託残高は、第1四半期末時点で、計3兆3000億ウォン(1ウォン=約0.11円)に達し、昨年同期比で1兆ウォン増加した。
遺言代用信託は信託契約の一種で、遺言状なしに銀行に財産を受託し、顧客(被相続人)の死後にあらかじめ決めておいた受益者(相続人)に財産を安定的に分配する商品だ。すべての相続人の同意が必要な場合が多い遺言状作成を避けて、金銭の相続ができる点が利点だ。
相続人や相続比率、相続財産時期などについてもオーダーメード型で設計できる。相続財産を毎年一定額に分けるとか、相続人が特定年齢になった時に銀行から所有権を渡す方式などで、信託契約を結ぶことができる。
高齢化が進み、韓国金融界はどこも相続ビジネスを強化している。韓国は来年、65歳人口が20%を超える超高齢社会に突入すると予想される。2020年以降、死亡者数が出生児数を逆転した状態だ。特に経済成長期を経験したベビーブーム世代(1955~1963年生まれ)が高齢化し、相続財産が大きく増えた。2022年の相続財産は96兆ウォンで、5年前と比べて約2.7倍増加した。
韓国より先に高齢化が進んでいる日本では、すでに各銀行が多様な相続ビジネスを打ち出している。
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