韓国・仁川(インチョン)で最近、生後49日に双子の女児が死亡する事件が発生し、赤ちゃんをうつ伏せにして寝かせることについての議論が加熱している。これを単に親の無知と見るのか、一種の児童虐待と見るのか、主張が分かれている。
警察によると、今月4日、母親(24)が生後49日の双子の女児2人を死亡させた疑いで拘束された。母親は「子どもたちが泣いたのでマットレスにうつ伏せにさせた」と供述したことがわかった。警察は母親に児童虐待致死容疑を適用した。
児童虐待致死罪は、児童虐待殺害罪とは異なり、殺人の故意がない場合に適用する。子どもをうつ伏せに寝かせて死亡した場合、ほとんど児童虐待致死罪が適用される。
子どもを殺害する故意があったのか立証が難しいため、児童虐待致死罪で身柄を確保した後、故意性の有無について集中的に捜査する。故意性が立証されれば、より重い処罰が可能な児童虐待殺害罪が適用される。
建国大学警察学科のイ・ウンヒョク教授は「故意性は心の中にあるものだから立証が容易ではない。捜査の課程で携帯メールやSNS、解剖結果を通じて証拠が出てくれば、容疑や起訴状を変更してもかまわない」と説明した。
専門家の意見もまちまちだ。うつ伏せにさせた子どもが死亡した場合、親の無知や養育未熟による行動と見ることもできるが、一方では死亡の可能性を十分に予見できるという見解もある。
韓国児童虐待予防協会のイ・ベグン会長は「親の暴力性によって虐待する場合もあるが、相当数は親の養育未熟のためだ。子どもをどのように養育すればいいのかよくわからない場合が多く、無関心と放任が重なって子どもを死亡させることが多い」と話した。
一方、韓国児童福祉学会長で尚志(サンジ)大学のパク・ミョンスク教授は「常識的に子どもが泣き続ければ抱いて慰めたり病院など周辺に助けを求めるのが普通だ。子どもがうつ伏せになれば当然呼吸が困難になることが予想できるが、そうしたのは子どもを保護するという気持ちがなかったということ」と指摘した。
実際にオンラインママカフェなどでは赤ちゃんを「うつ伏せに寝かせる」問題で悩む書き込みがアップすることもある。「後頭部がきれいになる」という理由で子どもをうつ伏せに寝かせる時、姿勢を変えながら寝かせれば良いという俗説が多く広がったためだ。このため、うつ伏せのまま寝ていた赤ちゃんが窒息死する事例もしばしばある。
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