
韓国全羅南道の木浦(モクポ)港一帯が、3日間にわたる集中豪雨の影響で大量の海洋ごみに埋まり、自治体と関係機関がごみの収集に追われている。
全羅南道によると、7月17日から19日までの豪雨により道内に流入した海洋ごみは推定約400トンに上り、うち木浦が350トンと大半を占めた。流入した海洋ごみの90%以上は、流木やつる、アシなどの植物類で、残りは廃プラスチックなどの生活ごみだった。
今回のごみの大量流入は、極端な豪雨に続いて開放された栄山江(ヨンサンガン)の水門から上流域のごみが下流へと流され、下流の木浦港まで押し寄せたことが原因だとされる。栄山江は全羅南道潭陽(タミャン)から光州(クァンジュ)、羅州(ナジュ)を経て木浦に至る全長約136kmの河川だ。
木浦港の海面は現在、こうしたごみによって埋め尽くされている。船舶の航行に支障をきたすだけでなく、スクリューへの巻き付き事故の原因にもなりかねない。
これを受け、港の管理主体である韓国・木浦海洋水産庁をはじめ、木浦市、木浦海洋警察などの関係機関は人員と高速艇などを投入し、昼夜を問わずごみの収集作業を進めている。20日時点で約260トンを回収したという。
だが、未回収分や今後の追加流入分を含めると、港が本来の姿を取り戻すにはなお数日以上を要する見通しだ。
関係自治体は、収集した海洋ごみを廃棄物処理業者に委託・発注して処理する。また、被害額が18億ウォン(約2億円)を超えれば国費支援の対象となるため、全羅南道は回収量などを分析した上で政府に災害支援を申請する。
全羅南道の関係者は「どれほどの期間で回収できるか、また予算をどう確保するかなど、計画を立てている。ごみは片付けても片付けても終わりが見えない」と苦境を訴えた。
(c)news1