韓国で非対面診療がモデル事業として実施されるようになって4週間たった。限定的に許可されたはずの薬が無制限に配送されたり、初診・再診の区別なく診療したりするなど現場では混乱が続いており、非対面診療仲介プラットフォーム業界と医師団体の双方から不満の声が上がっている。保健福祉省は制度を補完し、法制化を最大限早く推進するという立場だ。
現在、非対面診療を受けられるのは再診患者が中心だ。ただし、離島や僻地の居住者、体の不自由な人などは非対面での初診と薬の配送が許可されている。
医療界は非対面の初診を許可してはならないという立場であり、プラットフォーム業者は非対面診療を再診に限ることは事実上の妨害だと主張してきた。
対立は激しいが、ある内科の専門医は「モデル事業を医師と患者の両方が知らない場合もあり、責任所在も曖昧だ。初診・再診を確認する方法もあまりない」と述べた。初診・再診に関わらず非対面診療をしたり、制限なく薬を配送したりするケースもあるという。
大韓開院医協議会は「非対面診療に民間企業が参入し、医療システムを歪曲している。大韓医師協会が主導する非対面診療プラットフォームを作らなければならない」と主張している。大韓薬剤師会も「やむを得ず認められていた非対面診療と薬の配達はコロナの収束とともに終了した。根本的な議論と検討が必要だ」としている。
一方、プラットフォーム業界は医療関係者と国民参加の急減などを理由に制度改善を強く要求している。
保健福祉省は双方の意見を聞くために「非対面診療モデル事業諮問団」をつくった。先月21日に開かれた2回目の会議では、本人確認をしないケースや故意に指針に違反した事例があるとし、モデル事業の趣旨を各界に周知してほしいと要請した。
チョ・ギュホン(曺圭鴻)保健福祉相は「現場はある程度安定した。最優先されるべきは国民の健康増進であり、最も重要なことは非対面診療を法制化することだ」と述べた。
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