2024 年 12月 23日 (月)
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親の陰から抜け出して大人になった子熊の独り立ち

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この世に生まれた子供たちは皆、愛を受け、世話をしてもらわなければならないが、現実はそうでない場合が多い。今この瞬間にも何人かの子供たちは辛く寂しい毎日を耐え忍んでいる。「くまのバム」は両親の無関心の中で寂しく過ごしながらも、自分の力で闇から抜け出して大人になる子熊の成長史だ。作家ハン・ボムは特有の感性的なストーリーと独特な暖かみのある絵で子供の感性を繊細に描写した。

主人公のバムは、1日中洞窟の中で母親を待っているが、帰ってきた母親は無気力に横になってばかりいる。バムは愛にも飢え、お腹も空いたけど、母さんがとっても好きだ。そうするうちにバムは偶然洞窟の中に転がり込んできた一つの栗の実をきっかけに洞窟の外に出ることになる。

初めて出てみた見知らぬ森の中は怖いことばかりだ。いつの間にか訪れた暗闇は、バムにまとわりついてきて苦しませ、暗闇から逃げようとしたバムは、自分の影が作った大きな黒い熊に出会い、再び安らかな気持ちになる。黒い熊と楽しく遊んでいたバムは再び家に帰ってくるが、家には相変わらず無気力な母さんがいる。バムは黒い熊が呼ぶ声と月の光に導かれて再び洞窟の外に出て、黒い熊の手を握って月明かりの中の明るい森の道を歩いていく。

パムが黒い熊と歩いていく森の道は、もはや怖くもないし見知らぬところでもない。バムは自分から大人になったのだ。作家はこのようなバムの成長を、季節の移り変わりとともに見せてくれる。秋だった森が、バムが成長するにつれて冬になり、大人になったバムを迎えるように白い雪が降って話が終わる。

作家はバムを通して両親の闇を共に抱いて生きていく子供の心を繊細に淡々と表現した。子供たちは決してそのような闇に閉じ込められたままではなく、自分の力で世の中に向かって一歩ずつ歩んで行く力を持っていることを大きな感動とともに伝える。

<熊のバム/著者ハン・ボム/ムブル出版社/1万5000ウォン>

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