
韓国の消費市場低迷が続くなか、衣料大手の新世界インターナショナルが体質改善を急いでいる。従来は百貨店を拠点に女性服ブランドを展開してきたが、近年はオンラインを中心とした自社ブランドを立ち上げ、さらに化粧品分野、とりわけ香水市場の開拓に注力している。
同社は今月、フランスの高級ニッチ香水ブランド「メゾン フランシス クルジャン(MAISON FRANCIS KURKDJIAN)」と国内独占販売契約を結び、本格展開を開始した。クルジャンはディオールやアルマーニなど世界的ブランドの香水を手掛けた天才調香師フランシス・クルジャンと、共同創業者マルク・シャヤが設立した香水メーカーで、韓国市場では独特で洗練された香りでファン層を形成している。新世界インターナショナルは百貨店を中心に順次店舗を拡大しつつ、オンラインでも販路を広げ、化粧品部門の成長を狙う。
同社は昨年、若者に人気のメイクアップブランド「アミューズ」を買収し、化粧品売り上げを伸ばしてきた。2024年第2四半期の化粧品売り上げは1156億ウォンと前年から8~9%増加したのに対し、同期間の女性服売り上げは505億ウォンで前年より17.9%減少し、対照的な結果となった。
特にニッチ香水は数十万ウォン台と高額だが、名品バッグやアクセサリーと比べれば手ごろで「スモール・ラグジュアリー」として人気が高い。需要増を背景に、同社の香水ブランドは毎年二桁成長を続けている。
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