2025 年 10月 11日 (土)
ホームライフスタイル螺鈿充電器から酒器までMZ世代と外国人が熱狂する「Kグッズ」…数億ウォン単位のヒット連発

螺鈿充電器から酒器までMZ世代と外国人が熱狂する「Kグッズ」…数億ウォン単位のヒット連発

ソウル・龍山の国立中央博物館公式グッズショップ「MU:DS(ミューズ)」(c)news1

ソウル龍山の国立中央博物館グッズショップ「ミューズ(MU:DS)」の前には、週末になると「カチ虎」バッジや「半跏思惟像(はんかしゆいぞう)」ミニチュアを買おうとする人々の行列が数十メートルに及ぶ。かつての観光客が買っていた木札や絵はがき、韓服人形といった“お土産”とはまったく異なる光景だ。

近年の観光グッズは、韓国伝統の文様や物語に洗練されたデザインと実用性を加え、外国人だけでなく国内のMZ世代(1980年代~2000年代初旬の生まれ)までを魅了する“欲しいKアイテム”へと変貌している。単なる記念品だった商品が、Kカルチャーの波に乗って世界的な消費財へと成長しているのだ。

2025大韓民国観光公募展で大統領賞を受賞した朝鮮王室ワインストッパー=韓国観光公社提供(c)news1

文化体育観光省と韓国観光公社が毎年開催する「大韓民国観光記念品公募展」では、毎年ヒット商品が誕生している。2025年には景福宮勤政殿の御座をモチーフにした「朝鮮王室ワインストッパー」が大統領賞とグローバル人気賞を同時受賞。2021年に観光公社社長賞を受けた「螺鈿小盤模様のワイヤレス充電器」は、ミューズ入店後に累計取引額5億ウォンを突破した。2023年の文化体育観光相賞受賞作「黒笠ペン」はK-POPファン層に支持され、APEC記者団の公式記念品にも選ばれた。

丹青キーボード・キーキャップ=韓国観光公社提供(c)news1

2024年に観光公社社長賞を受けた「丹青キーボード・キーキャップ」は、発売直後に完売し生産量を2倍に拡大するなど、“持ちたい韓国”を象徴する存在となった。

ソウル観光財団が運営する「ソウルグッズ」は、2025年第2四半期の売り上げが4億3000万ウォンに達し、前年同期比で2倍の成長を記録。8月単月の売り上げは8000万ウォンで、人気商品は「風景マグネット」(1万5000ウォン)を筆頭に、ボールペン、傘、タンブラー、エコバッグなどの生活雑貨が続いた。世宗文化会館店は開店から10カ月で累計来場者8万人を突破し、記録を更新している。

国立中央博物館の「ミューズ」も「カチ虎バッジ」や「酔客文人ソジュグラス」が次々と完売。スターバックスとコラボした民画マグカップや虎鶴図タンブラーも即日完売する人気を見せた。

テーマパークのエバーランドも、Netflixアニメ『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』とコラボした「ケデハン体験ゾーン」を設置し、“獅子少年”になりきれる刺繍ガット帽をグッズとして販売。9月26日のオープン日には来場者が1万5000人を超え、開店前から行列ができる「オープンラン」現象が起きた。

海外でもKグッズ人気は拡大している。ソウルグッズ北村ポップアップストアでは、来場者の43%が外国人で、実際の購入者の半数以上(51%)を外国人が占めた。韓国観光公社が大阪・関西万博会場内で4月から運営する韓国館ポップアップストアは、6カ月で127万人が訪れ、7月末時点で売り上げ11億ウォンを記録した。

韓国政府は11月に東大門デザインプラザ(DDP)で「大韓民国記念品博覧会」を拡大開催し、APEC首脳会議と連動して慶州駅にもポップアップストアを開く予定だ。韓国観光公社ショッピング宿泊チーム長のユ・ハンスン氏は「優れた韓国文化商品を発掘するだけでなく、それを世界の消費者に届ける販路拡大が重要だ。今後も海外支社や異業種との連携を通じ、韓国を代表する記念品を広く発信していく」と語った。

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