2026 年 1月 12日 (月)
ホーム社会若者「就職断念」73万人なのに「空席」11万件…韓国・深まる「希望と現実」のギャップ、雇用ミスマッチ深刻化

若者「就職断念」73万人なのに「空席」11万件…韓国・深まる「希望と現実」のギャップ、雇用ミスマッチ深刻化

ソウル西部雇用福祉プラスセンター(c)news1

韓国では統計上の失業率が2%台前半に低下する一方で、実際には「就職をあきらめた」若年層が増え、企業現場では人手不足が続くという「雇用ミスマッチの逆説」が一層深刻化している。

国家統計ポータル(KOSIS)の2025年10月時点のデータによると、働く能力がありながら就職活動をあきらめた20~30代の若者は73万6000人に上り、このうち経済の中核を担う30代が過去最多を記録した。さらに、希望する職が見つからず就職活動を断念した「求職断念者」は36万6000人で、1年前より2万1000人増加した。

また、大卒以上の学歴を持つ20~30代の長期失業者(6カ月以上)は3万5000人に達し、2024年9月以来最多水準となった。

一方、雇用主側では人手不足が顕著だ。雇用労働省の「2025年上半期職種別事業体労働力調査」によれば、企業が採用に至らなかった「未充員人員」は10万8000人に上った。特に運輸・倉庫業(27.7%)、製造業(16.3%)など、現場職で未充員率が全体平均(7.7%)を大きく上回った。

このミスマッチの根本原因は、若年層の職業選択に対する期待と、企業が提供する実際の労働条件との間にあるギャップにある。企業側は採用できなかった理由として「必要な経験を備えた応募者がいない」(25.6%)、「賃金や労働条件が求職者の期待に合わない」(20.6%)と答えている。

若者側では、低賃金かつ労働強度の高い中小企業や現場職を敬遠し、大企業や事務職を志向する傾向が強い。韓国銀行も昨年「製造業の現場職離れは30代以下に加え、40代でも顕著になっている」と分析していた。

加えて、高齢化による介護職などの人手需要の増加も、労働市場の逼迫に拍車をかけている。

産業研究院の調査によると、雇用ミスマッチによる「雇用損失」は2010年の1万2000人から2024年には7万2000人へと6倍に急増した。これは、数兆ウォンにのぼる財政支援だけでは労働市場の構造的な不一致を解消できないことを示している。

韓国政府は2025年9月、「就職の第一歩保証制」を打ち出し、未就職の若年層を把握する全国的なデータベースを構築し、2026年から求職促進手当を月60万ウォンに引き上げる方針を示した。また、中小企業に週4.5日制を導入する支援策や、「青年未来積立」などのインセンティブ政策も準備している。

だが、専門家はこうした支援の効果を高めるためには、労働市場の「二重構造」の改善と産業ごとの戦略的対応が不可欠だと指摘する。韓国開発研究院(KDI)のキム・ジヨン研究委員は「低失業率が必ずしも雇用状況の改善を意味するわけではない」と述べ、「企業の生産性向上を通じて質の高い雇用を創出し、労働市場の二重構造を是正することで、若年層の就業意欲を高める必要がある」と強調した。

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