韓国全羅北道(チョルラプクト)のある農協が揺れている。常務クラスの幹部が部下の職員に不当業務などを指示したとして、雇用労働省に通報されたためだ。
部下の職員は2021年、農協で育苗事業を進めていたところ、当時の事業責任者だったこの幹部から、数百万ウォン(1ウォン=約0.1円)相当の苗・種子を横領するよう指示された。その転売代金を職員の父親名義の口座に入れて管理し、幹部の必要に応じて出金して渡す役割を担ったという。職員は不本意ながらこの指示に従いつつ「自身も処罰対象になりかねない」ことを理解していた。
こうしたなか、この幹部による職場内いじめが発覚し、農協中央会が監査に入った。職員はこれを機に、幹部に「正常な業務をしたい」と訴えたが、黙殺されたという。
結局、職員は横領の件を自ら農協に申告した。これによって監査が入り、横領の事実が明らかになった。幹部もこれを認め、着服した金額を返還した。
監査の過程で、幹部は職員に「自殺をする」と訴え、首を吊るすロープの写真をメールで送りつけたという。職員は心理的負担と苦痛により、幹部から“2次被害”を受けたと訴えている。
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