仮想人間(バーチャルヒューマン)によるバーチャルエンターテインメントが韓国を中心に再び注目を集めている。1990年代後半、サイバー歌手アダムが話題になったものの「不完全な形で人間に似ている」ことがかえって不興を買い、世間の関心が離れた。しかし、新型コロナウイルスの流行で非対面が活性化され、局面が変わった。仮想人間は拒否感がないほど技術が進化したのだ。
今年1月24日、バーチャルガールズグループ「メイブ(MAVE:)」がデビューした。メンバーは、リーダーのシウ、ボーカルのジェナ、ラッパーのタイラ、マティ。韓国ゲーム開発大手ネットマーブルF&Cの子会社「メタバースエンターテインメント」が手掛けた。
「メタアイドル」を標榜し、実際のアイドルグループのような舞台活動をはじめ、仮想人間という利点を生かしたゲーム、ウェブトゥーンなどの方面でも育てていく予定だ。メイブは、同社がカカオエンターテインメントとのコラボで誕生した。
カカオエンターテインメントにはもう一つの仮想人間プロジェクトがある。それは現実と仮想を混ぜた形だ。
今年初めに実施したバーチャルアイドルサバイバル芸能プログラム「少女リバース」では、実在するガールズグループのメンバー30人が仮想世界でアイドルデビューの機会を得るため競争を繰り広げた。最終的に選ばれた5人は「フィーバス(FE:VERSE)」という名前でデビューする。
コンテンツクリエイティブ専門企業「サイダススタジオX」の仮想人間「ロージー(ROZY)」は2021年、韓国初の仮想インフルエンサーを自任し、インスタグラムのフォロワー数は約15万5000人に上る。LG電子、NCソフト、スマイルゲートなど、さまざまなIT・ゲーム企業も仮想人間エンターテインメント事業に参入しており、関連産業の急成長が期待されている。
ロージーは2021年だけで広告費として10億ウォン(約1億円)以上を稼いだ。最も成功した仮想インフルエンサーである米国の仮想人間「リル・ミケーラ(Lil Miquela)」はシャネル、プラダ、ルイ・ヴィトンなどのモデルを務め、2020年だけで1170万ドル(約15億円)を稼いだという。
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