韓国で地域祭りのぼったくり商法の事例が相次いで知られ、批判が集まっている。3月の慶尚南道(キョンサンナムド)昌原鎮海郡(チャンウォンチネ)港祭に続き、5月の全羅北道(チョンラプクト)南原春香(ナムォンチュンヒャン)祭、全羅南道(チョンラナムド)咸平(ハムピョン)蝶祭りなどで、量も少なくて質の悪い「丸豚バーベキュー」が4万ウォン~5万ウォン(約4400~5500円)の高価で販売されたとオンラインコミュニティとユーチューブチャンネルで伝えられた。
◇「地域の人々とはまったく関係ない」のか
KBSで今月4日夕方に放送された芸能番組「1泊2日」では、出演者が訪れた慶尚北道(キョンサンプクト)英陽(ヨンヤン)伝統市場で、昔の菓子1袋7万ウォン(約7700円)、2袋14万ウォン(約1万5000円)で売りつけた場面がテレビで放送され、大きな騒ぎになった。
英陽伝統市場に批判の声が集まると、英陽郡庁は翌日、その店の運営者について「英陽山菜祭り期間中に『昔の菓子類』販売のため入ってきた外部の業者」と釈明した。地域の伝統市場には問題はなく、問題を起こしたのはあくまでも、期間限定で紛れ込んだ「外部の業者」というわけだ。
この釈明について、観光に詳しい専門家は「この菓子販売ブースが外部の業者だったという郡の釈明をそのまま信じても『地域の人々とはまったく関係ない』というのはナンセンス」と指摘した。
地域の祭りの大部分は、外部業者が落札して短期間販売するのは事実だ。ただ、外部業者の問題として片付けるのは本質から外れている。
軍港祭と春香祭、蝶祭りでも、祭り主催側と自治体は「外部業者が運営する市場でのぼったくり商法であり、地域住民によるものではない」と、同様の釈明を重ねている。
◇慢性的な弊害
地域の祭り事情に詳しい観光専門家は「“予見された事態”であり“慢性的な弊害”だ。国内観光活性化のためにも、これを機に改めるべきだ」と口をそろえる。
また、数十年間繰り返されてきた問題であるにもかかわらず、これまでメディアなどでまともに取り上げられず、自治体の改善意志が足りなかったとも批判されている。
専門家は一様に地方自治体の「管理監督不足」を指摘した。自治体の首長が積極的に介入すれば十分解決できる問題なのに、担当公務員だけに任せて放置してきた問題だ、というのが共通した意見だ。
外部業者の責任を前面に押し出す自治体側には、別の事情がある。「場所代が問題の本質」というのが共通した指摘だ。市場の運営権などを、個別入札や祭り全体の用役総括入札によって外部業者に任せてきたことに原因があるというわけだ。
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