過体重者は自殺リスクが正常な体重の人の0.7倍にとどまる一方、低体重者は1.44倍高い――。韓国・ソウル聖母病院のイ・ジュンヨプ内分泌内科教授の研究チームがこんな研究結果を発表した。成果が国際学術誌「BMC精神医学」1月号に掲載された。
研究チームは、2009年に韓国の国民健康保険公団データベースに登録された404万5081人の体格指数(BMI)と自殺による死亡リスクを分析し、2021年12月31日まで追跡調査した。BMIとは体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った指数だ。
その結果、18.5未満の低体重者は、正常体重(18.5~23)の人に比べて自殺リスクが1.44倍高いことが明らかになった。一方、BMIが増加するにつれてリスクは低下し、BMI23~25の過体重者では0.79倍、25~30の肥満1群では0.76倍、30以上の肥満2群では0.71倍となった。
研究チームは、過体重者の場合、脂肪組織由来のホルモン「レプチン」が脳の経路に影響を与え、衝動性を低下させる可能性があると指摘。一方で、低体重者の高い自殺リスクには身体イメージや摂食障害、睡眠障害といった心理的要因が関与している可能性があるとした。
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