2024 年 11月 26日 (火)
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自律走行ロボットの挑戦…「サービスロボット」時代まもなく?

自律走行機能が搭載された人工知能ロボット(本文とは関係ありません)©news1

周囲を見渡しながら、目的地まで最適の経路で移動する。この「自律走行ロボット」が飛躍への実験台に立った。これまでのように、障害物を避けながら決められたルートを歩くというレベルから脱し、自らルートを認識するという機能が整えば、「サービスロボット」の時代が本格的に開かれると期待が広がっている。

韓国のロボット業界などによると、大田(テジョン)市と大田テクノパークは今月中に産業通商資源省傘下機関・韓国ロボット産業振興院が施行する「人工知能(AI)・5G基盤サービスロボット融合モデル実証試験事業」を締結する。総事業費は19億1000万ウォン規模だ。

従来の自律走行ロボットは、特定の高さの断面を認識できる2次元(2D)ライダー(離れた物体の形状・距離をレーザー光を使って測定する技術)センサーに基づいて周辺を認識してきた。それがいま、人間のように周辺環境を3Dで認識できるまでになった。

だが、3Dライダーセンサーはその分、処理すべきデータも膨大なため、物流センターのような比較的単純な場所でのみ実証が進められ、市場の拡大と技術開発に限界があった。このため、産業通商資源省もロボット産業発展のための主要政策方針として、自律走行ロボットの大規模実証事業を推進している。

今回の実証事業はAI・5Gを基盤とした自律走行ロボットが、東西800メートル、南北400メートルの大田市中央路地下街でもしっかり動くことを検証するためのものだ。ロボットは地下商店街に集まっている人の波を避け、計406カ所の店舗を正確に区別して訪問し、食品の配達や物品の積載、感染対策、案内などのサービスを提供するのが目標だ。これまで、決まった人数の家庭や事務所、物流センターで自律走行ロボットをテストしたことはあった。だが今回のように、拠点が数百カ所あり、不特定多数の人がそれぞれの速度で移動し、突発状況が発生する可能性がある――こんな広い区域で実験は初めてだ。

従来の自律走行ロボットは、床に表示されたQRコードなど特定のコードを認識して動いていたが、今回の実証対象の物流ロボットは3Dライダーセンサーで認識する。自らがとらえた光によって、周辺距離を測定し、地図を製作して動くため、事前に他のインフラを構築する必要がない。周辺の人と障害物を認識して避けることもできる。

ロボットの状態や位置、移動時間などすべてのデータは5Gで収集され「統合管制システム」で管理される。ここでリアルタイムでモニタリングし、呼び出しや衝突防止、バッテリー充電などの命令を出す。

大田市は今年11月までに、計11台の自律走行サービスロボットを配置することにした。第1段は今年3月までに、品物・食料配達ロボットと防疫パトロール、案内ロボットなど5台を投入。第2段は4~11月に、用品を積載しながら掃除担当者に同行する物品移送ロボットなど6台を投入する。

これまで産業用ロボットが主流だったが、今回の実証で自律走行ロボットの性能が検証されれば、今後は生活に活用できる「サービスロボット」への道が開かれる。業界関係者は「ロボットの役割が単なる労働力提供にとどまらず日常生活に拡大すれば、多くのビジネスモデルが生まれるだろう」と見込んでいる。

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