2024 年 11月 13日 (水)
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肥満治療薬は韓国バイオ業界を変えるか? [韓国記者コラム]

(c)MONEYTODAY

現在、世界の製薬・バイオ市場で注目されているテーマは肥満治療薬だ。供給が追いつかないほどの人気で、肥満治療薬の販売承認を取得したノボノルディスクとイーライリリーの株価は急騰した。この影響で、肥満治療薬の研究を進める後発企業の評価も同時に高まっている。

韓国国内でも同様の動きが見られる。先月、国内での肥満治療薬の非対面処方は昨年12月と比べて約18倍に急増した。今月にはノボノルディスクの肥満治療薬「ウィゴビー」が国内で発売され、肥満治療薬のパイプラインを持つ国内企業の株価も次々と急上昇している。

国内のバイオ業界は長い間、株式市場で注目を集めていなかった。世界的な金融市場における高金利基調もその一因であったが、国内のバイオ企業が自ら市場の信頼を損なったことも大きな影響を及ぼした。株式市場からの関心を失い、株価が急落すると、自立性のない多くのバイオ企業が資金難に陥った。

だからこそ、肥満治療薬のブームは久々の追い風といえる。

肥満治療薬の人気に支えられ、バイオ産業に対する期待が再び高まりつつある。将来価値に注目せざるを得ないバイオ業界にとって、期待感は必要不可欠な起爆剤だ。「奇跡の治療薬」と称される肥満治療薬は、株式市場の投資家の関心をバイオ業界に引き戻すカードとして申し分ない。

その効果は確かだ。肥満治療薬のパイプラインを持つだけで株価が上昇しているバイオ企業は少なくない。長らく続いた株価低迷に苦しんでいたバイオ業界にとって、まさに恵みの雨となった。株価が上昇すれば、企業の運営における安全性も保証される。株式の取引が活発になり、多様な資金調達の手段も試みられるからだ。

肥満治療薬は、目に見える成果を持つ実在する新薬であるため、なおさら意義がある。ノボノルディスクとイーライリリーが開発した肥満治療薬はいずれもGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)系統の薬剤だ。GLP-1系薬剤は1980年代から糖尿病治療薬として活発に研究が進められてきた。2014年に米食品医薬品局(FDA)の認可を受けた「サクセンダ」もGLP-1系だ。それだけ長期間にわたって安全性が実証された薬剤だということだ。国内の製薬・バイオ企業も一部で研究成果を出し始めている。

ただし、懸念もある。最近の肥満治療薬開発ブームには、既視感があるのも事実だ。パンデミックの際、国内バイオ企業はこぞって新型コロナウイルス治療薬やワクチンの開発を宣言した。モデルナやファイザーの成功を目の当たりにした韓国政府も、多いところで数百億ウォンを支援した。関連企業の株価は激しく動いた。しかし、セルトリオンの「レキロナ」を除き、まともな成果物を見出すのは難しい。結局、「バイオはすべて詐欺ではないか」という声を強める結果となった。

世界的な肥満治療薬ブームは、国内バイオにとって貴重なチャンスである。パンデミック時のように、言葉だけで終わる虚像にしてはならない。独自の作用機序(薬が治療効果を及ぼす仕組み)や剤形(目的・用途に応じ適切な形)でグローバル市場に通用する競争力を備えるか、薬効持続技術などのようにグローバル製薬会社の「痒いところに手が届く」特別な技術で活路を見出す必要がある。

スピードも重要だ。再び新型コロナ治療薬やワクチンの轍を踏むようであれば、未来産業であるK-バイオの飛躍は到底望めない。肥満治療薬ブームがK-バイオ成長の帆となることを願う。【MONEYTODAY キム・ドユン記者】

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