韓国のユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領と中国の習近平国家主席による初めての首脳会談(15日・インドネシア開催)で、習主席は韓国政府の対北朝鮮ロードマップ「大胆な構想」について「北朝鮮が呼びかけに応じること」を前提に支持を表明した。ただ、北朝鮮は「大胆な構想」について拒否する姿勢を取っており、習主席はむしろこの構想について「実現不可能」との認識を示した可能性もある。
「大胆な構想」はユン大統領が8月の光復節の祝辞で提案したもの。北朝鮮が非核化に乗り出す場合、その初期段階から経済的支援とともに相互信頼構築などに向けた政治・軍事的措置を取るとの内容を含んでいる。
大統領室によると、習主席は首脳会談で「大胆な構想」について「北朝鮮の意向がカギだ。北朝鮮が呼応してくれば、『大胆な構想』がうまく履行されるよう積極的に支持し、協力する」と述べたという。ただ、「大胆な構想」は北朝鮮側が既に、キム・ヨジョン(金与正)朝鮮労働党副部長の談話などを通じて拒否しており、習主席の支持も「大胆な構想」が実行に移されることを念頭に置いたものではない、という解釈につながる。
また、ユン大統領が、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に関連して「国連安全保障理事会の常任理事国であり隣国でもある中国の積極的・建設的役割」を要請したのに対し、習主席は「韓国が南北関係を積極的に改善していくことを希望する」と求めた。習主席は「中国の役割論」とは距離を置き、韓国側の対北朝鮮アプローチに「変化」を要求したとみられる。
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