2025 年 11月 11日 (火)
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結核・HIVなど無料「外国人統合検診」全国に拡大へ…韓国保健当局、増加する外国人結核患者に対応

2025年9月29日、外国人観光客で混雑する仁川国際空港(c)news1

韓国国内における外国人結核患者の比率が近年、上昇傾向にある中、保健当局はこうした感染症の早期発見と国内流入の遮断を目的とした「外国人対象の無料統合検診」事業を、全国に拡大する方針を固めた。

疾病管理庁によると、2024年の国内全体の結核患者数は1万7944人で、前年から8.2%減少した。これは、2011年の5万491人をピークに13年連続で減少傾向が続いていることを意味する。だが、外国人結核患者の数は過去3年間ほぼ横ばいで推移しており、その割合は年々増加している。

2024年の外国人結核患者数は1077人で、全体の約6%を占めた。これは前年比で0.3ポイント増である。外国人患者は2016年に2569人とピークを記録した後に減少傾向となったが、2022年には1072人、2023年には1107人と、直近では明確な減少が見られない。疾病管理庁のイ・スンウン結核政策課長は「韓国人患者が減少していることにより、外国人の比率が相対的に高まっている」と説明している。

外国人患者の比率が再び増加に転じた背景には、韓国に長期滞在する外国人の増加がある。法務省の統計によれば、2024年末の滞在外国人は約265万人で、前年の250万人から5.7%増加。コロナ禍直後の2021年(195万人)と比較すると、35%の急増となる。人口比で見た滞在外国人の割合も、2021年の3.79%から2024年には5.2%へ上昇している。

このような状況を受け、政府はすでに感染症対策を強化している。2020年には結核高リスク国を35カ国に拡大し、法務省と協力してこれらの国の外国人に対して入国前の結核検診を義務付け、治療を終えた者のみの入国を許可している。さらに、雇用許可制(E-9)を適用する14カ国については、胸部X線による二重読影制度を導入し、国内感染の防止に努めている。

加えて、2025年3月からは地方自治体と大韓結核協会、韓国ハンセン病福祉協会、韓国エイズ退治連盟などが協力し、外国人対象の「無料統合検診」モデル事業を開始した。未登録の外国人も対象に含まれ、結核、HIV、ハンセン病など、これまで個別に実施していた検診を一括し、受診率向上を狙っている。今年は合計253人の滞在外国人がこの事業に参加した。

(c)news1

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