
米国が韓国製品に25%の関税を決定したことを受け、韓国政府は国務総理(首相)室主導で非常対策会議を開き、対応策の検討を始めた。この措置により、韓国の年間輸出は最大510億ドル減少する可能性がある。韓国は米韓自由貿易協定(FTA)に基づき米国製品に0%の関税を維持しており、今回の措置は「FTA精神への重大な違反」と受け止められている。
米国は、韓国が為替操作や非関税障壁を通じて米国製品に事実上50%の関税を課していると主張し、今回の25%課税は「対称的措置」と説明している。この税率は中国やベトナムなどより低いが、欧州連合(EU)や日本より高く、韓国にとっては厳しい水準だ。
韓国政府は報復関税の導入には慎重で、外交・安全保障への影響を懸念している。代わりに関税率の引き下げや免除品目の拡大を求める交渉に力を入れる方針だ。また、企業支援策として「輸出バウチャー」や「関税対応バウチャー」、貿易保険の割引制度などを用意し、今後は業種別支援策も発表する。
一方で、ユン・ソンニョル(尹錫悦)氏の大統領職罷免により、米国との交渉を主導する政治的な窓口が不在となっており、交渉の進展には時間がかかるとの懸念も出ている。
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