
チャットGPTを武器に人工知能(AI)市場を主導してきた人工知能(AI)開発新興の米オープンAIが最近、半導体大手米エヌビディアから受ける予定だった投資が遅れているとの観測などを受け、「危機論」が広がっている。エヌビディアのジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が自ら投資撤回説を否定したものの、オープンAIの不透明な収益性や市場支配力に対する疑念は依然として残っている。これを受け、オープンAIと韓国サムスン、SKとのデータセンター協力関係に変化が生じるのか、注目が集まっている。
台湾を訪問中のファンCEOは、自身がオープンAIに懸念を示し投資を遅らせたとの報道について「まったくのでたらめだ」と反論した。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは1月30日、オープンAIの赤字が続き、大規模言語モデル(LLM)市場での支配力が弱まる中、エヌビディアとオープンAIの交渉が膠着状態に陥っていると報じていた。
ファンCEOは「私はオープンAIを信頼している。彼らの仕事は驚くべきもので、我々の時代において最も重要な企業の一つだ」とした上で、「今回の投資は非常に大規模で、エヌビディアがこれまで手掛けてきた投資の中で最大規模になる可能性がある」と述べた。ただ、昨年9月に発表した1000億ドルを上回るかとの質問には「そこまでではない」と答えた。
エヌビディアは昨年9月、新たなデータセンターやAIインフラ支援のため、オープンAIに最大1000億ドルを投資する計画を発表した。この投資を通じ、エヌビディアの先端AIチップを用いてオープンAIのモデルを学習・配備できる、10ギガワット(GW)規模のデータセンター建設を支援する方針だ。10GWは原子力発電所10基分に相当する規模だ。
エヌビディアはチャットGPTの登場によって本格的なAI時代の到来を告げたが、その後、グーグル(Google)の「ジェミニ(Gemini)」、アンソロピック(Anthropic)の「クロード(Claude)」、メタ(Meta)の「ラマ(Llama)」など競合他社が高性能LLMを相次いで投入し、市場支配力は以前ほどではないとの評価も出ている。
トラフィック統計サイト「シミラーウェブ(Similarweb)」によると、昨年(2025年)1月時点で86%に達していたチャットGPTの市場シェアは、今月初め(2026年2月)には65%まで低下した。一方、グーグルのジェミニは、今年(2026年)1月初め時点で22%のシェアを記録し、1年間で315%の成長を遂げた。
ITメディア「The Information」が入手した資料によれば、オープンAIの今年の損失額は約140億ドルに達する見通しだ。売上高は年々急増しているものの、AIモデルの高度化に必要な莫大な計算コストや人件費が、収益創出の大きな障壁になっていると分析されている。
それでもオープンAIは、すでに約5000億ドルの企業価値を認められており、年内の上場を推進しているとされる。上場前には1000億ドル規模の資金調達も計画しており、日本のソフトバンクやアマゾンなどが参加を検討していると伝えられている。
韓国のサムスンとSKも、オープンAIの企業価値を評価し、AIデータセンター分野での協力を約束している。オープンAIはオラクルやソフトバンクなどのグローバル技術・投資企業と共に、総額5000億ドルを投じて超大型AI計算インフラを構築する「スターゲート・プロジェクト」を推進中だ。
サムスンは昨年10月、オープンAIとスターゲート・プロジェクトに向けて、高性能・低消費電力メモリーを供給するほか、サムスンSDS、サムスン重工業、サムスン物産がそれぞれデータセンター共同開発、法人向けAIサービス、海上データセンター開発分野で協力する内容の意向書(LOI)を締結した。SKグループも、韓国南西部地域にオープンAI専用のAIデータセンターを共同で構築するための覚書(MOU)を結んでいる。
サムスンとSKが締結した協約はいずれも法的拘束力のないLOIやMOU段階にとどまっており、両社は本契約に向けた協議を進めているとされる。
業界関係者は「AIバブル論は以前から提起されてきたもので、その延長線上にある話だ。ファンCEOが投資遅延説を否定した以上、今後の議論の行方を見守る必要がある」と語った。
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