2025 年 7月 30日 (水)
ホーム社会節水呼びかけを無視…公衆トイレで大量の水を確保するキャンパー

節水呼びかけを無視…公衆トイレで大量の水を確保するキャンパー [韓国記者コラム]

2025年7月25日、干ばつと猛暑が深刻な江原道江陵市の展望台公衆トイレで、キャンプ客が15L入りの水容器を持って水を汲む様子(c)news1

韓国江原道江陵市の大関嶺旧道。展望台の公衆トイレに、こんな文言の張り紙が掲げられていた。

7月25日、同地域では水不足と猛暑が重なり、市が補助水源の運用を開始したばかりだった。

しかし、午後7時ごろ、キャンプに訪れた中年女性が「15リットルの大型ポリ容器」を抱え、節水の呼びかけを無視するようにしてトイレ内で水を汲み始めた。その後、同行者がキャンピングカーのタンクに水を注ぎ、再び容器を持って女性に手渡すという行動を30分間に2~3回繰り返した。

展望台周辺にはこの車両以外にも20台以上のキャンプ・車中泊用の車が集まっており、どの車両も10~20リットル級の水容器を4~5個ずつ常備していた。

本来、公衆トイレの水道は手洗いや簡単な洗面など、施設運営のためのものである。これを生活用水や飲用水として大量に持ち出す行為は、法律上「窃盗」「水道法違反」「占有離脱物横領」に該当する可能性がある。江陵市をはじめ、江原道の関連条例では過料が科されることもある。

本来であれば、水や電気を合法的に利用するなら、私設のオートキャンプ場を使うべきだ。

しかし、大関嶺一帯は海抜800mで、江陵市内よりも体感温度で約15度低く、「猛暑避難地」として知られている。特に最近の異常高温によって訪問者は年々増加しており、この日も大関嶺村の休憩所には50台以上のキャンピングカーが集まり、一帯はまるで“移動村”の様相を呈していた。

問題は、こうしたキャンパーの「大量の水確保」が干ばつのさなかに集中していることにある。実際、江陵市はこの日、主水源である五峰貯水池の水位が回復せず、補助水源として地下水の試験通水に踏み切った。

韓国水資源公社によれば、7月16~20日の集中豪雨で全国平均貯水率は80.1%、江原道は68.8%に達したが、江陵は降雨量69mmにとどまり、24日時点の五峰貯水池の貯水率は36.4%と、平年の半分以下だった。

今後もしばらく雨の予報がないため、水資源不足の状況は長期化が懸念されている。江陵市では職員が混雑する観光地でビラを配りながら節水を呼びかけ、公立プールは水不足で閉鎖、庁舎のトイレも節水のために蛇口から水がチョロチョロとしか出ない状況だ。

ある市民(30代・江陵在住)は「干ばつかどうか以前に、公衆トイレの水道を大量に汲む行為自体が非常識。中には森林近くでバーナーを使って調理している人もいて、火災の危険さえ感じた」と語った。

もちろん、余暇を楽しみに来たキャンパーに公務員並みの倫理を求めるのは酷かもしれない。

しかし、異例の干ばつと猛暑が続く中、最低限の節度とモラルが求められるのは当然だ。行政もこのような盲点を把握し、実効性のある対策と啓発活動を強化する必要がある。【news1 ユン・ワングン記者】

(c)news1

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