他の企業もこれまでとは違う方法で福祉拡大に乗り出しているようだ。
サムスン電子は4月29日、労使協議会を通じて有給休暇を3日追加する案を確定した。配偶者出産休暇もこれまでの10日から15日に増やした。LG電子は4月初旬、育児休職期間を2年に拡大し、毎年の役職員配偶者総合健診を支援する福利厚生改善案を確定した。
財界関係者は、主要企業における社内福祉の相次ぐ拡大の背景には、若い社員を中心に、強くなった福祉に対する要求と、人材の確保を挙げている。近年、社員の離・退職が頻繁になり、人材の流出が激しいうえ、海外企業への転職も自由になり、人材流出が深刻な悩みの種という話だ。特に半導体・AI・造船部門では中国や北米など主要国家への人材流出が深刻だ。
企業内部的には年俸を上げることにも限界があり、その点も福祉特典拡大の理由としてあげられる。財界の人事関係者は「最近、サムスン電子やLG電子など主要企業が10年ぶりの最大幅で賃金を上げている。だが、このような流れが維持され続けるのは難しい」とみる。「社内福祉を強化するなど、さまざまな方法で人材の流出を防ぎたいという計算がある」と指摘する。
専門家は人材流出を防ぐには、社内福利厚生を強化する一方、その企業固有の強みを掲げて人材確保に注力しなければならないと助言する。
明治大経済学部チョ・ドングン名誉教授は「特定企業だけが持つ固有の福祉特典があれば、社員の愛社精神と誇りを育てることができる。人材が企業間で移動することはとても自然なことなので、流出を防ぐには企業がさまざまな方法で悩む必要がある」と話している。
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