2024 年 11月 30日 (土)
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突然やってきた拒食症の症状 [KWレポート] 痩せるリスク (6)

イ・スヨンさんが3月から「拒食症脱出日記」を個人ブログに記録している(c)news1

イ・スヨンさん(仮名・24・女性)は、2カ月前から自身のブログに「摂食障害克服記」を書いている。

今年初め、拒食症の症状が突然現れ、拒食症の治療に取り組み始めた。

これを機にブログを始め、その日その日の些細な日常と、何を食べ、どんなことを考えたのか、スヨンさんの率直な感情をつづっている。

「自ら“拒食症にかかった”という事実を受け入れられるようになった」

スヨンさんはこう振り返る。

これまでは無理やり食べ物を口に入れ、「消化できなくて……」「急いで食べて、胃もたれして…」という言い訳を繰り返していた。だが、記録することを通じて、初めて自分の姿を客観的に眺めることができるようになった。

スヨンさんにとって「拒食症脱出日記」は、もう一つの治癒過程と言える。

◇「自己否定」の克服

今年初め、スヨンさんは新型コロナウイルスに感染した。

家に1人でいる時間が多くなり、手はしきりに食べ物に向かった。

暴食をする回数も増えた。

パーソナルトレーニングを受けていたスヨンさんが、食べることに罪悪感を覚えるようになったのもこのころだった。

「私の体の中に食べ物が入っている感じがとても嫌で、初めて嘔吐しました。私はこれまで、健康にやせていたので、“食べて吐く行為”などしない、と自信を持っていましたが……」

数年前、体重80㎏台から50㎏台に減量した時も、極端な食事制限はせずに痩せることができた。ダイエットのために服用するという食欲抑制剤も飲まなかった。誰よりも健康にダイエットに成功したという自信があった。

だが、摂食障害は突然訪れた。

初めて経験した「食べて吐く行為」は、すぐ習慣になった。

吐いた後、鏡の前に立って考えた。「私は今、正気じゃない」と。

その日の夕方、スヨンさんは両親に自身の状況を打ち明けた。

摂食障害の治療は自己否定を克服することが第一関門だ。スヨンさんは自身の問題を早い段階で認識した方だった。

◇「もう少し、もう少し」強迫観念

スヨンさんは現在51㎏だ。過去の自分について「ふっくらと太っていた人」と記憶している。173cmという長身、体重80kg前半だったが、体重に対する強迫観念はなかった。映画関連学科を専攻してスリムな俳優たちに会っても、スヨンさんにとって彼らは「異世界に住む人々」であり、憧れの対象ではなかった。

そんなスヨンさんが運動に興味を持つと、体重計が示す数字が変わり始めた。

痩せる。

痩せれば、気に入った服を選べるようになる。

恋愛も始まった。

体重をもっと減らしたくなる。

本格的な献立管理に目を向けるようになった。

だが、恋愛が与えたのは「体つきに対するストレス」だけだった。

スヨンさんは自らをさらに絞り始めた。

パーソナルトレーニングを登録し、献立検査を受けながら、食べることを制限した。目標としていた1日の摂取カロリーを超過すると、翌日はゼロカロリー飲料とリンゴ1個で1日の食事を済ませた。

「期待値が高かった。57㎏まで減らして維持しようと思ったけど、今度は55㎏まで行ってみようと思うし、53㎏まで痩せたら、次は50㎏までやってみようかなと考える」

結局、48㎏まで減量した。

パーソナルトレーニングは達成感とともに望まない強迫症をもたらした。1日1300kcal以上を摂取することを極度に警戒するようになった。

スヨンさんは周囲から「自己管理を徹底している人」とみなされるようになった。

食べ物に対する強迫観念は次第に高まり、摂食障害は少しずつ大きくなった。

(つづく)

(c)news1

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