2025 年 12月 3日 (水)
ホーム社会秋夕連休?「行く場所はない」…韓国・孤独な高齢者たちの現実

秋夕連休?「行く場所はない」…韓国・孤独な高齢者たちの現実

ソウル鍾路区のタプゴル公園(c)news1

「息子は2人、娘は1人いたが、娘は亡くなり、息子たちとは20年以上も音信不通だ。戸籍に名前があるだけだよ」

秋夕(チュソク)連休を翌日に控えた10月2日、ソウル市鍾路区のタプゴル公園で出会った77歳のキムさんは、記者の「今年の名節は子や孫と会うのか」という問いにこう答えた。

午前9時20分ごろ、公園には約60人の高齢者が像の前や東屋、木のベンチに座り、一人で時間を潰していた。地方から上京し、簡易宿泊所で生活しているというキムさんは「連休中の予定は何もない。テレビを見るか、近所のスーパーをぶらつくだけだ」と語った。

京畿道高陽市から週3回以上通っている86歳のソさんも「子どもたちは連休中に一日だけ訪れる。誕生日や特別な日には外食に連れて行ってくれるが、連休は違う」と寂しさをにじませた。さらに「普段利用する福祉館も連休中は閉まってしまう」とも語った。

園内では目を閉じて居眠りをする人、新聞を読む人、爪を切る人などが見られた。

「昔は娘夫婦が来るとごちそうを用意して待っていたが、2022年から縁が切れてしまった」。こう語る69歳の女性キムさんは、この日も午前11時半から始まる無料給食で昼食を済ませる予定だという。「連休をどう過ごすか分からない」と途方に暮れていた。

近くの宗廟広場公園も同じく高齢者たちで混み合っていた。80歳のホさんは「名節だからといって特別なことはない。やることが何もない。子どもがいないので、いつも孤独だ。もう歳だから必要なものもない」と言い残し、周囲の仲間のもとへ向かった。

ベンチで音楽を聴いていた78歳のキムさんも「連休に行くところなんてない。旅行も仲間と行くから楽しいのであって、一人では意味がない。ただ時間を過ごし、最期の日を待っている」と静かに席を立った。

(c)NEWSIS

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