東京電力福島第1原発の処理水放出が始まって1年が経過した24日、「安全基準を逸脱する事例がなかった」という韓国政府の発表を巡り、与野党が激しい議論を交わした。与党「国民の力」は、最大野党「共に民主党」に対し、「放射能汚染魚」や「セシウムウラク」などのデマを広めたと批判。一方で野党側は、政府・与党が日本の立場を代弁する姿勢を取っているとし、「恥知らず」と反論した。
国民の力のキム・ヘラン報道官はこの日午前の論評で「昨年、民主党をはじめとする野党や市民団体は、これに激しく反対し、『放射能汚染魚』や『セシウムウラク』などのデマを広め、街頭に立った」と指摘した。さらにキム報道官は「しかし当時の懸念とは異なり、これまでのところ、韓国の水産物や海域が汚染されたという証拠は何も出ていない」と述べ、民主党がデマの扇動には積極的であったにもかかわらず、関連法案については職務怠慢の姿勢を見せてきたと非難した。
一方、共に民主党のファン・ジョンア報道官は「福島の『汚染水』には、セシウムなど人体に致命的な放射性物質が微量ながら含まれており、トリチウムは海水で希釈された後、そのまま放出されている」と述べ、政府が日本の立場を代弁することで国民の怒りを招いていると主張した。さらにファン報道官は「福島の『汚染水』に韓国の国益は存在しないことは小学生でも分かる。韓国政府と与党が日本政府を代弁する姿勢を取っていることは、国民に許されるものではない」と批判した。
大統領府は23日、海洋放出1周年を迎え、現状に関するブリーフィングを実施、「過去1年間、韓国国内の海域や公海で採取したサンプル約4万9600件を検査した結果、基準を逸脱した事例は一件もなかった」と発表した。
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