韓国で昨年、ゲーム業界を熱くした「確率型アイテム」騒動が再浮上した。ゲーム業界が自発的に確率型アイテムに関する情報公開を強化して1年になるなか、文化体育観光省が突然、法制化に乗り出している。ユン・ソンニョル(尹錫悦)政権の自律規制という基調が揺らぐのではないかという懸念も出ている。
韓国では「確率型アイテム」に対して、ユーザーの射幸心を助長するという批判が根強く、政治を巻き込んでの議論が続いている。
韓国ゲーム政策自律機構(GSOK)のファン・ソンギ議長は今月23日、ソウル市鍾路(チョンノ)区で記者懇談会を開き「確率型アイテムは、法的規制より自律規制のほうが利用者の保護にはかなっている。法的規制には強力なペナルティーがあるが、制度が硬直しているため、急速に変化する収益モデル(BM)に、迅速に対応できない。実効性に欠ける」と指摘した。
連日、新たなBMが登場するとともに、ゲームの周期まで短くなり、利用者保護のためには「速度戦」が不可欠だ。ただ、法がこれに追いつくのが難しいという。
ファン議長は「確率情報を表示すべきコンテンツなのか曖昧な場合が多い。これを警察や検察が判断するのは問題になり得る。長期間の捜査・裁判の末に確率が公開されても利用者保護のタイミングを逃す恐れがある」と強調している。
GSOKは、海外ゲーム会社の確率情報の公開を促す一方、「自主規制は実効的だ」と強調している。
海外にサーバーを置いた外国ゲーム会社を制裁することは事実上、不可能だ。それゆえ、刑事処罰という強硬手段よりも現行のように「なだめすかしながら」確率情報を公開するようにした方が良いという判断からだ。
GSOKは海外ゲーム会社にどのシステムや商品で確率情報公開が必要なのか周期的にメールを送っている。
GSOKのナ・ヒョンス事務局長は「海外事業者に“自律規制を順守していないゲームだ”とメールを送れば最初は無視する。ただし毎月モニタリングしながらゲーム内のどのコンテンツの確率情報を公開すれば順守ゲームになれるのか具体的な事例とともにメールを送れば、返信が来る。こうしたやり方で順守するよう促しているが、法的規制によってその状況がよくなるのか疑問だ」と話している。
(c)MONEYTODAY