2025 年 3月 1日 (土)
ホーム政治相次ぐ空の安全事故…韓国政府、「航空機稼働率削減」求めるも基準が不明確、航空各社が混乱

相次ぐ空の安全事故…韓国政府、「航空機稼働率削減」求めるも基準が不明確、航空各社が混乱

仁川国際空港(c)news1

韓国国土交通省が航空機の安全強化を目的に稼働率の削減を求めたが、具体的な基準が示されておらず、航空会社が混乱している。航空業界は「航空機の稼働時間を減らし、整備時間を確保する」という趣旨には共感するものの、稼働率が高いからといって整備が疎かになるわけではないと主張している。

現在も規定に従って整備を実施しており、稼働率を下げたからといって整備時間が増えるわけではないというのだ。そのため、整備時間が変わらないのに航空券の供給が減少し、価格だけが上昇する副作用が発生する可能性が指摘されている。

同省は最近、相次ぐ航空会社の安全事故への対策として、航空機の稼働率削減を求めた。先月23日に開かれた「格安航空会社(LCC)の航空安全特別点検会議」でも航空機の稼働率を短縮し、追加の整備時間を確保すると発表している。

しかし、同省が明確な削減ガイドラインを示していないため、現場では混乱が生じている。業界関係者は「稼働時間削減の明確な基準がないため、航空会社ごとにどの程度減らせばいいのか、適正な稼働時間はどれくらいなのかわからず混乱している」と話す。

国土交通省主催で今月11日開かれた「航空安全強化決議大会」では、各航空会社が発表した航空機の稼働時間削減目標が、計測基準によってバラバラだった。

航空機の稼働時間は、機体の車輪が地上で動き始めてから目的地で止まるまでの時間を測る「ブロックタイム」と、実際に空中に滞在する時間のみを測る「フライトタイム」に分かれる。

決議大会では、A航空会社はブロックタイム基準で1機あたりの平均稼働時間削減目標を発表したが、B航空会社はフライトタイム基準で発表した。フライトタイムはブロックタイムよりも稼働時間が短く測定されるため、一部の航空会社は規制当局の要請に応えるためにこの基準を採用したとみられる。

航空業界関係者は「航空機の稼働率と安全性には関係がない」と主張する。

航空機の整備はフライトごとに実施する「運航整備」と、エンジンや機体を定期的に点検する「中整備」に分かれる。運航整備は各航空会社が担当し、中整備は専門機関が担当する仕組みだ。関係者は「航空機の整備は、メーカーのマニュアルや国土交通省の規定に従って厳格に実施されている」と強調する。

また、業界は稼働率削減が直ちに整備時間の確保につながるわけではないとも指摘する。現在、国内で中整備を受けられる外部機関は、韓国航空宇宙産業(KAI)の子会社「韓国航空サービス(KAEMS)」の1カ所のみ。業界関係者は「KAEMSの整備人員が変わらない状況で、航空機の運航を減らしたからといって中整備の時間が増えるわけではない」と述べ、「まずは国内の航空整備産業(MRO)を育成することが必要」と訴えた。

(c)news1

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